背番号10の不在が山口の歯車を狂わせた。連戦の影響もあり、「やむを得ず外した」と上野監督にとっても苦渋の決断だったが、その影響は小さくなかった。
「出ているメンバーを考え、少しやり方を変えた」(島屋)と長いボールを増やすも、「ハマり切らなかった」(島屋)。さらに岐阜が5バック気味の[3-4-2-1]にシステム変更してきたことで、山口が得意とする人の出入りを交えたパスワークのためのスペースが消えた。岐阜はレオミネイロ、エヴァンドロ、難波の前線3人の推進力を生かしたカウンターに狙いを絞り、山口の良さを完全に消しにかかった。
山口は岐阜の術中にハマり、シンプルな速攻から49分までに3失点。直後に庄司を投入すると「山口はボールの動かし方、狙いがはっきりした」と敵将も認めたように、本来のパスワークが蘇った。88分、後半ロスタイムと立て続けに得点を奪い、あと一歩のところまで追い上げたが、反撃は及ばなかった。
3バックへの変更とカウンター狙いが奏功し、庄司不在の間に3点を奪った岐阜が先行逃げ切りを達成した。上野監督も「失点の場面ではいつも出ている選手たちがもう少ししっかりやってほしかった」と守備の脆さを課題に挙げた。(杉山 文宣)