試合序盤からゲームはいきなり動いた。連戦による疲労から立ち上がりに動きの重さが見えた愛媛を尻目に、水戸はカウンターから活路を拓いた。左サイドからの兵働のパスに佐藤和弘が抜け出し、これを落ち着いて決めてアウェイ水戸が先制点を獲得。ここから乱戦となる展開も感じさせたが、その後の試合展開はそよ風程度のおとなしいものであった。
先制点を奪った水戸は先制後に攻撃で積極的なアクションをほぼ起こさず、単発で攻勢をかけるも、散見されたミスにより逆にカウンターを受けるなど、精彩を欠いたことは否めなかった。
一方の愛媛は立ち上がりこそ緩さはあったものの、その後は持ち直し、複数の決定機を作り出した。しかし、「いつもと同じようにはいかなかった」(木山監督)と攻守両面においてチームとしての運動量は少なく、特に連戦による酷使で疲弊し切っていたチームのダイナモである藤田、小島のダブルボランチで勢いがつかなかった。それでも数人の個人技によってチャンスを作ったが、フィニッシュの精度は上がらないまま。73分に内田健太のFKから瀬沼が折り返し、阪野が何とか体で押し込んで同点としたが、逆転するまでの勢いはなく、そのまま引き分け。
その結末は内容に見合ったものと言えた。「お互いにスキルもスピード感もない試合だった」(木山監督)との評は客観的に見ても的を射たものだった。(松本 隆志)