■ヴィッセル神戸
磨き上げた前からの守備でJ最強攻撃陣を封じる
2nd第8節・FC東京戦(4○1)の勝利を皮切りに、G大阪(2nd第9節・1○0)、浦和(2nd第10節・2○1)など強豪も撃破し、ここ6試合で『16』の勝ち点を積み上げてきた4位の神戸。今節、川崎Fに勝てば、紛れもなく2nd優勝への挑戦権を手に入れる。「向かって行くだけ。硬くならず、持っているものを出す」と意気込むのは渡邉だ。2ndステージ負けなしのホーム戦で、まずは2位の牙城を崩したい。
今節、神戸に課せられた最大のミッションは、川崎Fのポゼッションをいかに封じるか。1stステージでの対戦(第12節・1●3)は、レアンドロ、ペドロ・ジュニオール、岩波らを欠く中、先制しながらもボールを支配された末の完敗。今節を前に藤田は「(ボールを)回される覚悟も必要だろう」と指摘しつつ、「(攻撃に)出て行けなくなってもいけない」と果敢さと賢さの重要性を強調する。今季、積み上げてきたのは前線のプレスから連動するアグレッシブな守備。リスクもあるが、ショートパスを駆使する川崎Fに対する最大の武器でもある。岩波は「(川崎Fは)大久保、小林悠で点を取っているけど、二人を操っているのが中村憲剛」と“出し手”から自由を奪う必要性を説く。後方の押し上げとコンパクトさの維持、そして、ボール奪取から繰り出す超速カウンター。“激しさ”と“速さ”という磨いてきたスタイルを存分に発揮したい。
前節・福岡戦(4○1)で足を痛めたペドロの状態は気がかりだが、26日のサブ組中心の練習は選手の誰もが好調な動きを披露。石津が「負ける気がしない」と話せば、増山も「良いアピールができている」と剛毅だ。疾風迅雷は極まった。神戸が2位・川崎Fを引きずり落とし、首位追撃の一番手に躍り出る。(小野 慶太)
■川崎フロンターレ
ほぼ整った陣容。懸案のGKも高木で問題なし
リーグタイトルへの挑戦権を手にした川崎F。ただ、それは残りのリーグ戦での力を弱める理由にはならない。
「気を抜いてしまうとチャンピオンシップ(CS)に響いてくる。ここはあくまでも通過点として、常に一番でいられるように勝ち続けるだけ」。谷口が前節(横浜FM戦・3○2)の試合後にこう語ったが、これがすべてである。
「2ndと年間の優勝が目標」。中村もこう言うとおり、やはり1stステージでほぼ手中に収めていた初タイトルを逃してしまっただけに、その思いは強い。だが、そこに至るまでは試練が続く。残り4試合はこの神戸戦を皮切りに広島、鹿島、G大阪と続くのだが、その難しさはあえてここで語る必要もないだろう。チームとしても置かれた状況の困難さは十分把握している。とはいえ、プレッシャーで自らを縛り過ぎても仕方ない。「そういう意味ではマリノス戦でCS出場が決まって良かった」とは大島の言葉だ。精神的に良いバランスで、この神戸戦に臨めるだろう。
出場停止だった大久保とエドゥアルド・ネットが復帰し、3バックの右でポジションをつかんだ田坂が絶好調。陣容は整った。ただ一つの懸念、それがGKだ。韓国代表招集中にひざを痛めて前節も出場を見送ったチョン・ソンリョンは28日時点で全体練習に戻っておらず、前節に脳震盪と頬の骨折で途中交代を強いられた新井も本人曰く「金曜日(30日)に全体合流」とのことだが、不安感もある。現状では高木の出場が濃厚だ。「自分もチーム全体もコントロールしなければいけない」と高木は準備を整えるが、前節の出来を見れば十分、最後尾を任せることができるだろう。(竹中 玲央奈)