Photo: Norio Rokukawa
文字どおりの完勝だった。今季、最も浦和の力が出た試合は1st第8節の川崎F戦(1◯0)だったと思われるが、それを上回るほどの戦いぶりだった。
被シュートはわずか3本。それほど大きな仕事がなかったGK西川は、「みんなが前に前にとプレッシャーを掛けてくれた」とチームメートを称えた。もちろんプレッシャーを掛けただけではない。今季の浦和の特徴でもある素早い攻守の切り替えからボールを奪い切り、G大阪をほぼ自陣に押し込んだ。
宇賀神は試合前、「今まで悔しい思いをしてきたぶん、絶対に勝たなければいけない相手」と話していたが、前節・広島戦(3◯0)に続いて勝負強さを見せた一戦だったとも言えるだろう。過去の浦和はそういう試合でこそ勝てないことも多かった。ただ、その経験がいまに生きていると話したのは柏木だ。「引き分けでも良いという気持ちを持って臨んでいるから。痛み分けは仕方ない。でも相手に勝ち点3を与えなければ俺らが上にいる。川崎Fが勝ってもまだチャンスは残されているという気持ち。だから慌てない」。2年前のG大阪戦は勝利すれば優勝という試合で決めにいった。その結果、試合に敗れ、結果的にリーグ優勝も逃した。その経験を、段階を踏みながら生かし、乗り越えた試合だったと言えるだろう。
ただ、柏木はこうも言っていた。「いまは追いかけている状態だからこそ、こういうプレーができているのかな。本当は首位のまま上がっていけたら良いけど」。その後、川崎Fが神戸に敗れ、浦和は2ndステージ優勝に近付くとともに、年間勝点でも首位に立った。リーグ戦残り3試合で追う立場から追われる立場へ。悲願へ向けた真の戦いはこれからだ。(菊地 正典)