無失点で進めつつ、交代選手も含めて先制点を奪う。C大阪としては理想的な試合運びとなった今節だが、二つの想定外がチームを苦しめた。一つは、32℃を超える最高気温を記録した暑さ。もっとも、これは両チームにとって同じ条件であり、言い訳にはできない。ただし、試合開始早々にGKキム・ジンヒョンがチョン・テセと激突し、脳への衝撃と打撲により前半で交代を余儀なくされたもう一つの想定外が、暑さと相まって、試合の締め方を難しくした。体力を奪われ、運動量が落ちる試合終盤にパワーを注入する交代カードを1枚失ってしまったのだ。さらに、75分過ぎには松田が足をつってプレー続行不可能となるアクシデントも重なった。大熊監督はすぐさま茂庭を投入し、田中を右のウイングバックに配置したが、この布陣が清水の攻撃の呼び水となった。
試合後、「前線にもう1枚入れたかった」と話した大熊監督だが、酒本をウイングバックに下げて、攻撃の選手を投入することもできた。結果論とも言えるが、リードしている状態で最終ラインを変えて逆転負けを喫する展開は、第13節の山口戦(2●4)でも経験している。今節も、前線からのプレスが掛からず最終ラインを押し上げることができない中、ソウザの運動量が落ちて中盤に生まれたスペースを、清水のフレッシュな若手に切り裂かれた。プレスが掛からず下がり、相手に豪快なミドルシュートを決められたが、これも第16節の讃岐戦(2●3)で見た光景だ。イレギュラーはあったにせよ、C大阪は過去の教訓を生かすことができなかった。(小田 尚史)