■FC東京
9月の敗北の雪辱を。勝負を分ける守備の出来
再びやってきた浦和戦。FC東京はまたしても屈辱的な負けを味わうのか、それとも――。
先月行われたばかりの、前回対戦J1・2nd第12節。FC東京は積極果敢な守備で浦和を封じ、一時は先制を果たした。しかし、5バック気味に変更してからは浦和に流れを渡すと、一気に3失点。これで今年2度の対戦はいずれもFC東京の逆転負けとなった。
さらに、味の素スタジアムでの対戦となると、常に次のようなデータもつきまとう。FC東京はリーグ戦で浦和相手に04年以来勝利がないのである。もはや相性の悪さはファンやサポーターの間でも、有難くない語り草になっているという。今回はカップ戦の勝負とはいえ、この悪しき流れを変える意味でも、FC東京にとっては長年の雪辱を晴らす戦いになる。
勝利へのモチベーションは相当に高い。しかし、チームには不安材料もある。チームの主将である森重と丸山の両CBが日本代表に選出されて不在。さらに直近のリーグ戦で左SBを務めていた徳永が右ひざを痛めて離脱。欠場が決定的だ。
最終ラインは再編成を余儀なくされ、CBには吉本とボランチが本職の高橋が並ぶ見込み。そして左右SBの片方は両サイドでプレー可能な室屋が入り、残る一つの枠を左SBの小川と、MFだが右SBもできる橋本のどちらかがプレーすることが予想される。
いずれにしても急造感は否めないが、室屋が「前回初めて浦和と戦って、サイドの攻防がカギを握ることが分かった。そこで負けないように」と語れば、橋本も「どのポジションでもプレーする準備を常にしている。勝利に貢献できる選手になりたい」と力強く話す。最近はJ3・FC東京U-23でCBも経験した小川は「守備意識が高まったし、対人守備も見直せた。その成長を見せたい」と意気込む。彼ら若手守備陣の奮闘なしに、浦和撃破はあり得ない。幸い、攻撃陣は毎試合得点を重ねている。DFの出来が、勝敗を分ける。(西川 結城)
■浦和レッズ
代表組欠場、ミシャ不在もいまの浦和には問題なし
浦和はGK西川、槙野、柏木が日本代表に招集されているが、準々決勝の神戸との2試合では那須、高木、ズラタンなどリーグ戦では先発の機会が多くなかった選手たちが活躍し、リーグ戦にもつなげた。そしてポジション争いがし烈になったことがのちのリーグ戦4連勝にもつながり、「チームは良い状態」(ペトロヴィッチ監督)にある。
代表勢を欠くポジションはGKに大谷、ボランチに青木が入ることはほぼ確定。左ストッパーは複数の可能性が考えられるが、J1・2nd第12節のFC東京戦(3◯1)でも左ストッパーを務めた宇賀神が入り、両ワイドには駒井と、前節・G大阪戦(4◯0)は出場停止で休養十分の関根が入ることになりそう。指揮官は「そのときベストだと思ったメンバーで戦う」と話したが、ほかのポジションでもフル出場が続いている阿部や武藤を休ませるなど、代表勢を欠く以外にもある程度の変更が見られるかもしれない。
加えて準々決勝・神戸戦の第2戦(4◯0)でピッチに入って抗議したことで退席処分になったペトロヴィッチ監督がベンチ入り停止となるが、「やることは変わらないので、自分たちが今までやってきたことを出すだけ」と森脇が言うように、選手たちは大きな問題とは捉えていない様子。むしろ、この5年で培ってきた力を見せるべきときとも言えるだろう。
FC東京には公式戦4連勝中。直近のリーグ戦、約2週間前の戦いでは相手の前線からのプレッシャーに苦しめられたが、宇賀神は「どちらかと言うと自分たちが余裕を持ってつなげていなかったので、あの試合で手ごたえがあると思ってもらえたら逆にありがたい」と不敵に笑う。
柏に敗れてタイトルを逃した13年以来、3年ぶりの決勝を目指す戦い。アウェイでは「現実的な戦いをしないといけない」(宇賀神)が、目指すはアウェイゴールであり、決勝進出に近付く勝利だ。(菊地 正典)