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勝ち点3が求められるホームのイラク戦。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が長谷部誠とともに、ボランチの一角に選択したのは柏木陽介だった。股関節痛で第1戦のUAE戦(1●2)を欠場し、続くタイ戦(2◯0)も出番なく終わっていたプレーメーカーにとって大きな試金石となる試合。序盤はイラクのプレッシャーが強い中でボールに絡めない状況が続くが、11分にはバイタルエリアで相手のタックルに耐えながらFWの岡崎慎司に縦パスをつけ、リターンを清武弘嗣がミドルシュート。これはGKの好セーブに阻まれたが、日本に良い流れをもたらすプレーだった。これでイラクの最終ラインが下がると、中盤でボールをワイドにさばき、前の4人にパスを通す場面も増えた。
そんな中で見られたのは周囲とコミュニケーションを取る意識だ。26分の先制後、清武がゴール前の接触プレーで倒れている間に左SBの酒井高徳、CBの森重真人に話しかけポジショニングの確認を取るなど、攻守の舵取りを担ったのが柏木だった。そうしたバランスワークが日本にプラス効果を生んだことは間違いない。
ただ、やはり“デュエル”の部分では苦戦した。前半ロスタイムには高い位置まで上がったところで味方が奪われ、ロングカウンターのピンチを受けた。そこで左サイドのカバーに駆け戻ったのは柏木だったが、2度のチェックでボールを奪うことができず、危険なシュートにつながるクロスを上げられてしまった。ゴールに直結する突破を許したわけではないが、中盤でボールを奪えず、また、自分たちのゴールに絡めないまま、67分に山口蛍との交代でピッチをあとに。前半に良いリズムを呼び込んだところなど、ボランチの役割で評価できる部分もあったが、攻守両面で課題を残すW杯アジア最終予選のデビュー戦となった。(河治 良幸)
柏木 陽介(かしわぎ・ようすけ)1987年12月15日生まれ、28歳。兵庫県出身。176cm/73kg。御津中→広島Y→広島を経て、10年浦和に完全移籍。J1通算307試合出場49得点。J2通算31試合出場4得点。国際Aマッチ11試合出場。