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[小見 幸隆]日本サッカー界が抱える問題が表出/W杯アジア最終予選クロスレビュー④

2016/10/10 6:01


Photo: Atsushi Tokumaru
目についたSBの質の低さ

 埼玉スタジアムまで見に行った人は楽しかっただろうし、結果が出て良かったのだろうが、冷静に考えると残念な内容と言うしかない。
 とにかく気になったのはSBのクオリティーの低さだ。酒井宏樹と酒井高徳が起用されたが、あの二人が「日本を代表するSBです」というのは恥ずかしい。特に攻撃センスのなさが目に付いた。クロスの質が悪いし、攻撃参加してもほとんど効果的なフィニッシュにつながらない。酒井宏樹は中学生のころから知っているが、昔からセンスがある選手とは言えなかった。酒井高徳はときどき良い守備はするのだが、上がっても何もできない。個で劣るならば、コンビネーションでどうにかすればいいのだが、それもできていない。SBの二人は本田圭佑や原口元気と本当にコミュニケーションをとっているのだろうか。
 大事なのは宿舎でどんな話をしているかだ。言い合いをしていないのではないだろうか。「そんなことは言われなくてもしている」と反論するかもしれないが、形として見えてこないのが問題だ。選手は監督のミーティングだけを聞いて試合をするのではない。さらに言えば、約束事はヴァイッド・ハリルホジッチ監督と作っていくものではない。チームメートと議論して作っていくものだ。ハリルホジッチ監督はスーパーマンではない。何でもやってくれると考えるのは間違いだ。
 SBの質の低さの根底にはJクラブのSB育成へのこだわりのなさがある。ハリルホジッチ監督がどうこうという問題ではなく、日本サッカー界が抱える大きな問題だ。

サッカー界は目を覚ませ

 ハリルジャパンは前に進んでいるのだろうか。監督自身はチームの心配をしているとは思うが、日本サッカー界全体という部分まで考えているだろうか。やはり彼は日本サッカー協会に雇われている身。だから、どちらかというと、サッカー協会の上層部が積極的に日本サッカーについて、とことんまでハリルホジッチ監督と話し合わなければならない。選手と監督も、監督と協会も、大事なのはコミュニケーションと距離感だ。別にベタベタ仲良くしろとは言わない。しかし、“真の結び付き”が必要なのだ。
 今年はリオ五輪があり、先日はメダリストたちが集結したパレードもあった。サッカーは活躍できなかったが、他種目は頑張っている。3年後にはラグビーのW杯が日本であり、再び注目を集めるだろう。サッカー界は顔を洗って、目薬を差して、目を覚まさなければいけない。

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