横浜FCの狙いは長崎の3バック脇。立ち上がりからシンプルにそこへボールを送り、イバや津田らが走り込んで起点を作る。8分の先制点は左SBの永田からのボールに津田が抜け出してイバのゴールをお膳立てしたもの。21分の追加点は右SBの市村からのロングボールで抜け出した津田が倒されて得たPKだった。
ここまでは横浜FCにとって理想的な展開だったが、「それ(狙いの攻撃)を続けていくのか、つなぐのかが中途半端な感じになってしまった」(佐藤謙介)。意思統一のできないまま、不用意な形でゴール前の永井にボールを入れられ、西河が手をかけて倒してしまう。そのPKを27分に永井自身が決めると、その後は長崎のペースで試合が進んだ。前線では永井と木村の2トップが斜めに走って最終ラインにギャップを作る。中盤では梶川やペク・ソンドンがドリブルで相手を引き付け、ワイドをフリーにする。それが横浜FCの守備ブロックを揺さぶり続ける。ついに足が止まり始めた横浜FCは、82分にカウンターからフリーでクロスを入れられ、永井に同点ゴールを押し込まれた。
両指揮官とも「トレーニングでやってきた崩しの形を表現できた」(高木監督)、「狙いどおりの良い形からゴール」(中田監督)と胸を張ったが、ともに相手の狙いを抑え切れなかったとも言える。特に横浜FCにとっては、J1昇格プレーオフ圏の6位・京都が勝ち点3を得たことで、あまりにも痛い引き分けとなった。(芥川 和久)