敵地での清水戦の結末は、厳しい現実だった。スコアは0-2。2点差での敗戦が今季初ならば、同一カードで2連敗を喫するのも今季初めてのことだった。
「もったいない試合だった」。複数の選手がそう言って口をそろえたように、21分にミスから先制点を許したものの、主導権を握って必死に清水に食らい付いた。攻撃では最後の連係こそ合わなかったものの、アタッキングエリアに人数をかけて、清水ゴールに肉薄。一方の守備では、清水の竹内が「町田は一度も引くことがなかったぐらい」と舌を巻いたように、高い位置からプレッシングをしかける「町田らしい戦い」(森村)で一歩も引かなかった。しかし、結果は敗戦。主将のリ・ハンジェは言う。
「伝統のある清水さんを相手にしっかりと戦えたことは収穫があったと思う。ただこの世界は結果でしか評価されない。内容が良かったことを結果につなげられるように、成長しないといけないと感じた」
力のある相手にミスから先手を奪われる展開は、致命傷になる。もともとポゼッションで相手を崩す形を不得手とするチームがボールを持たされる展開になれば苦しくなるし、得意のショートカウンターを発動できるような展開に持ち込むことが勝利の可能性を高める…。清水戦の90分には、町田が“勝者”になるためのヒントが凝縮されていた。
思えば、クラブのルーツである少年サッカーの選抜チーム・FC町田は1977年、“打倒・清水FC”を旗印に発足した。約40年の時が経ち、J2という同じカテゴリーで、町田の象徴的なクラブが清水のそれと対戦する機会をつかんだが、クラブの前身が目標としてきた“清水の背中”は、やはり遠かった。
クラブ史上2度目のJ2挑戦中の町田は、20年の東京五輪イヤーをJ1で戦うという“青写真”を描いている。クラブハウスなどハード面の整備という課題も残すが、一方のピッチ上では清水以上の猛者をも乗り越えなければならない。日本のトップリーグを目指す戦いは、もうすでに始まっている。(郡司 聡)