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[特集]タイトルを獲らなければいけない理由がそこにはある/JリーグYBCルヴァンカップ 決勝 G大阪×浦和

2016/10/14 6:01


G大阪の意地か
■ガンバ大阪
舞台は整った。タイトルを狙い続けるのが青黒の義務

 新スタジアム元年、そしてアデミウソンの獲得によって今季の成功を義務付けられていたはずのG大阪。しかし、希望に満ちあふれていたはずの今季は、ここまで期待外れと言わざるを得ない戦いが続いている。
 制覇が至上命令だったはずのACLではまさかのグループステージ最下位に終わり、リーグタイトルの奪回も前節、浦和に完敗を喫した(0●4)ことで2ndステージの優勝と年間勝点3位はもはや絶望的。そんなG大阪にとって、ルヴァンカップの決勝戦は、西の常勝軍団としての存在感を見せる格好の舞台となる。
「多くのタイトルを獲らないといけないクラブであることを証明しないといけない」(遠藤保仁)。05年のリーグ初戴冠以来、ACLを含めて積み重ねてきたタイトルの数は『9』。国内では鹿島に次ぐ栄冠を手にしてきたG大阪は10冠目に王手をかけている。
 最も手にしたかったACLは逃したものの、何らかのタイトルを狙い続けるのがビッグクラブを自認するG大阪の義務である。
 一昨季はナビスコカップ(現・ルヴァンカップ)の優勝を皮切りに、国内三冠を独占。Jリーグの勢力地図を青と黒で染め切ったものの、昨季はナビスコカップとチャンピオンシップの決勝で涙をのんだ。
 藤春は言う。「1位と2位とでは全然違う」。
 そんなG大阪にとって、格好の舞台装置が整えられた。戦いの場は昨季のナビスコカップで鹿島に0-3の惨敗を喫した埼玉スタジアム。対戦相手はリーグ前節で敗れ去った浦和。ニューヒーロー賞に選出された井手口が「ナビスコカップの借りとレッズに大敗した借りを返すチャンスなので絶対に勝ちたい」と意気込んだ言葉は、指揮官と全選手が共有する思いでもある。
 前回大会王者として挑んだ昨季の決勝は「慢心があった」(長谷川監督)と気持ちのスキに付け込まれた格好だったが、今季のG大阪はいわば“手負い猪”である。「今季の浦和は強い。そういう浦和を倒して優勝すれば格別」(長谷川監督)。名門が目指すのは「優勝」の二文字だけだ。(下薗 昌記)


浦和の悲願か
■浦和レッズ
ミシャにタイトルを。浦和の夢を今回こそ結実させる
 ペトロヴィッチ監督が就任した12年以降、浦和は何度もタイトルに手が届きそうになりながらも寸前のところで逃してきた。広島で監督を務めていた時代も含めて無冠が続くペトロヴィッチ監督は、自ら「シルバーコレクター」と自虐的な表現を用いたり、自身が去ったあとの広島がリーグ優勝していることに対して、「浦和も監督を代えたほうが優勝できるのかもしれない」と冗談交じりで話したこともあった。
 今年こそは―。チームとしてタイトルへの飢餓感は強く、ペトロヴィッチ監督も1月15日の始動日で、すべての大会で昨季の成績を上回ることを今季の目標に掲げ、選手たちに伝えた。「私は『タイトル』という言葉は口にしなかった」とも話したが、昨季の成績を上回ることがタイトル獲得を意味していることは明白だった。そして、選手たちも「今季の目標はタイトル獲得」と口々に語った。
 FC東京を2戦合計5-2で下し、ルヴァンカップ決勝進出が決まったあと、興梠は自ら「自分がゴールを決めて、監督に初のタイトルをあげたい」と話した。宇賀神も「監督にホームでカップを掲げさせてあげたい。自分たちが監督にタイトルをもたらしたい」とその思いを強くしている。「浦和で何も成し遂げていない」として、ペトロヴィッチ監督就任と時を同じくしてレスター(イングランド)から浦和に復帰した阿部勇樹もまた、「レッズに戻ってきたのはミシャ(ペトロヴィッチ)監督と一緒にやりたかったというのもある。監督にはまだ何も恩返しをしていないので、何とか結果を出したい」と口にした。
 決勝進出が決まり、ペトロヴィッチ監督は選手たちに対し、近年はタイトルに近付きながらも逃していることをあらためて伝えると同時にこう話したという。
「過去の結果ではなくて、タイトルをしっかり獲って評価されよう」
 その思いは強いに違いない。いよいよペトロヴィッチ監督の、そしてチームの思いは結実するのか。その決戦をホーム・埼玉スタジアムで迎える。(菊地 正典)

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