ボランチの井上が開始わずか9分で負傷交代し、18分に迎えたPKのチャンスは、中島が熊本GK佐藤に阻止される。前半の町田にはいくつかの不測の事態が起きていたが、後半の立ち上がりにそんな不穏な空気を払しょくする“ゴラッソ”が生まれた。
48分、左サイドで松本が森村からのパスをダイレクトで左足を振り抜く。「素晴らしいシュートを決められてしまった」と元日本代表・巻もうなるほどの弾丸シュートが熊本ゴールに突き刺さった。
先手を奪った町田は、戦前から想定していた熊本との激しい球際のバトルと攻守の切り替え勝負に臆せず挑む。そして、ハードワークや素早い攻守転換といったチームの“生命線”で終始熊本を上回った。「トータルではあまり危険な形を作らせていなかった」とリ・ハンジェ。試合は危なげなく町田が1-0で勝ち切った。
試合後の会見で松本のスーパーゴールに話が及ぶと、相馬監督はこう言って思わず相好を崩した。
「今週はシュートの練習をしていないので、欲を言えば今週練習をしたクロスボールでバチンとアシストをするプレーをしてほしかったですけどね(笑)」
現役時代のポジションである左SBには“一家言”を持つ指揮官は、マンツーマンで松本を指導することも少なくない。「足を振ってみるもんだなと思っているでしょうね」。“相馬塾”筆頭塾生である孝行息子の活躍に、会見終盤の指揮官は終始、顔を綻ばせていた。(郡司 聡)