先制点で勝負あり。金沢が最下位に転落
立ち上がりは金沢の狙いがハマっているかに見えた。守備時には2トップの立ち位置をセンターサークル自陣側に設定したコンパクトなブロックを組み、清水のCBにはプレスに行かず、中央を締めてサイドに誘導。その結果、清水のテンポは上がらなかった。
「立ち上がりはちょっとバタついた」という小林監督や、「ボールを回すだけということが、結構あった」という大前の言葉も、金沢の狙いがハマっていたことを裏付けている。
それでも、清水は粘り強くボールを動かしながら状況の打開を図る。後方からのサイドチェンジで金沢を揺さぶり、そこからサイドアタックをしかけていくと、31分。犬飼のロングパスを出発点に、石毛のボールキープで起点を作り、三浦のクロスにチョン・テセが頭で合わせる。金沢の「特に前半は0-0の中で戦えたら」(森下監督)という願いは、ここでついえた。「正直、点を取るまでは攻めあぐねた」(チョン・テセ)清水にとっては大きな先制点だった。
その後、清水はリトリートする金沢を敵陣に押し込み、波状攻撃を浴びせていく。ハーフタイムを挟んで迎えた後半、金沢は前から行く姿勢を見せたものの、大勢は変わらず。64分に大前が追加点を挙げると、68分には再びチョン・テセがネットを揺らし、勝負あり。たびたび細やかな崩しにトライした金沢だったが、清水の守備を上回れず無得点に終わった。
シンプルに前線の質を生かす。それが清水の形だった。清水と金沢の間には、選手一人ひとり、プレーの一つひとつにクオリティーの差があったのは明らか。3-0の快勝を収めた清水が3位・C大阪との勝ち点差を『1』に縮めた一方、金沢は最下位に転落した。(野中 拓也)