■FC東京
篠田vs石井、森重vs金崎。注目の元同僚対決
FC東京の篠田監督にとって、鹿島の石井監督は「最も尊敬する一人」(篠田監督)である。98年の1シーズンだけ、両者は福岡で現役生活をともに過ごしている。石井監督は鹿島から加入直後の開幕戦、いきなりその古巣との対戦で退場するという、いまとなっては微笑ましい昔話もある。「石井さんは優勝経験のあった鹿島から来たこともあって、勝者のメンタリティーを持っていた。ジーコの話も含めて、本当にいろいろなことを聞いて教わった」と篠田監督は当時を回想しながら頬を緩ませた。
そんな二人が、監督として初めて対決する。「楽しみ。でも勝ちたい気持ちは僕のほうが上。試合が終わってから、石井さんとゆっくりと話したい」。試合終了のホイッスルが鳴るまで、青赤の指揮官は闘争心むき出しで尊敬する先輩に向かっていく。
FC東京にとって鹿島戦のカギとなるのは守備面。「鹿島にはいつも自分たちが崩れて耐え切れずに失点してしまう。我慢強く戦いたい」とは森重の弁。かつて大分時代に同僚だった金崎については「ここまでの点取り屋になるとは思っていなかったけど、強さとうまさは昔からの武器。敵にしたらイヤな相手」(森重)と、最大級の賛辞とともに警戒していた。(西川 結城)
■鹿島アントラーズ
恵みの中断期間で負傷選手が続々復帰
けが人が相次いだ鹿島にとって、3週間のインターバルはこれ以上ない恵みだった。続々と選手が復帰し、苦しい選手起用で耐え忍ぶ時期は終わりを告げた。いよいよ反転攻勢に出るときだ。チャンピオンシップに向けた勢いを増すためにも、まずは、09年からリーグ戦で負けていないFC東京戦に狙いを定める。
前節、大宮に1-3で完敗するなど、苦しい時期を過ごした鹿島だが怪我の功名は大きかった。出場機会を得た永木は日本代表に招集されるまで自信と安定感を深め、鈴木も独り立ち。戦力不足と過密日程が懸念されたタイへの遠征も、終わってみれば良いリフレッシュとなり、重苦しかったチームの空気はすっかり入れ替わった。なによりファブリシオが戦力としてフィットし始めたことは、シーズン佳境を戦う上で、最良の成果と言えるだろう。
そこにけがから復帰した選手が戻ってくる。日本代表経験者が3人そろうボランチを頂点に、誰を起用するのか、監督としては悩ましいところだろう。
石井監督の休養など、一時チームはどん底を見た。しかし、この期間に見せたまとまりや一体感は1stステージのそれ。1st王者に相応しい戦いを、ここから見せずしていつ見せる。(田中 滋)