■川崎フロンターレ
現状のベストメンバーで臨むラスト3試合
前節・神戸戦(0●3)でのショッキングな敗戦以降、川崎の地ではさまざまなことが起こった。中村が負傷離脱し、奈良は左脛を再骨折。そして、12日には風間監督の今季限りでの契約満了が正式に発表された。特に監督退任の衝撃度はチーム内にとどまるものではなく、すでに退任後の進路について情報が錯綜している。ただ、まだシーズンが終わったわけではなく、リーグ戦3試合、チャンピオンシップ(CS)、天皇杯、リーグ王者になればクラブW杯も残されている。是が非でもタイトルを獲得し、監督の退任に花を添えたい。
川崎Fはこの広島戦を皮切りに、鹿島、G大阪と骨太な相手との対峙が続くが、1試合1試合の結果がチームに自信と活力を与えることは間違いない。そういう意味ではこの状況を歓迎し、楽しみ、チャンスと捉えるべきだろう。「別に負けても最後(CS)は出られるし」。大島は良い意味で開き直ったようにこう語り、「(CSに)出られることは決まっているんだから、どんどんチャレンジしないと」と、大久保は今まで以上に攻撃でリスクを冒せるこの状況を利用しない手はない、と発破をかける。
とはいえ「年間勝点1位で(CSに)行きたいというのがある」という大島の言葉は、チームの共通認識でもある。「2ndステージで優勝できれば、(必然的に)年間勝点でも1位になれる」(大久保)以上、やはり勝利を奪いにいくという第一目的は変わらない。これまでやってきたことをブレずに続け、その中で高い質を求めてプレーしていくのみである。
冒頭に述べた中村に関してだが、診断結果の全治3週間を待たずして、18日に復帰した。本人は「違和感はないが、恐怖感がちょっとある」と語り、精神的な面も含めて万全とは言えないが「『行くぞ』と言われたら行けるように準備はしている」と試合に照準を合わせている。離脱者は多い。だが、現状のベストメンバーで、最後の3連戦に川崎Fは挑む。(竹中 玲央奈)
■サンフレッチェ広島
ロペス、皆川が先発濃厚。カギはポゼッション
前節・FC東京戦(0●1)に敗れ、チャンピオンシップ出場の望みが絶たれて迎えた3週間の中断期間。チームは5連休を設けてリフレッシュを図ってからトレーニングを再開した。森保監督は「クオリティーや駆け引きで足りない部分はあっても、アグレッシブにプレーすることや試合に出たいというハングリーさを見せてくれればいい」と語り、経験が浅い選手の起用も示唆して今節に向けた準備を進めている。
その筆頭候補がアンデルソン・ロペスだ。7月に加入するも結果を残せぬまま負傷離脱したブラジル人アタッカーは、中断期間にコンディションを向上させて練習に合流。戦術の理解も日に日に深めており、なにより練習中から意欲をむき出しにしてプレーしている。そして、皆川も存在感を高めている一人。「状態は悪くないと思っているけど、試合で結果を残せて初めて『良かった』と言える」。3年目のストライカーは静かに闘志を燃やしている。二人のハングリーさに、ロペスの突破力とシュート力、皆川の高さが加われば、ピーター・ウタカがけん引してきた今季ここまでの形とは違った攻撃が見られそうだ。
もちろん「チームとして喜べる結果、応援や支援してくれる皆さまに喜んでもらえる結果を出したい」(森保監督)。勝利を求める姿勢に変わりはない。そして、勝利するためには川崎Fの攻撃を防がなければならず、強固な守備ブロックを築く必要がある。しかし、「本当に(川崎Fの)攻撃は強力なので、逆によりボールを持つ時間を長くしないといけない」と青山が語るように、重要なのはポゼッションの質を高めること。ボールを握っていれば川崎Fの攻撃を受けることはない。勝利を欲す川崎Fを焦れさせることができれば、スキを突くことも可能になるだろう。
我慢強さ、冷静さとアタッカー陣のハングリーさをうまくミックスできれば、広島は等々力で憎き敵になることができるはずだ。(寺田 弘幸)