工藤が4試合連続ゴールと目下絶好調だ。前節・千葉戦(3○0)においても、セットプレーでのチャンスからダイレクトで押し込み、結果的に決勝点を挙げる殊勲者となった。古巣相手に新たなスタイルを垣間見せたのは、何よりの喜びだろう。
日本代表経験を持ち、複数クラブで実力を認められてきたアタッカー。しかし、多くの得点を自ら稼ぎ出すフィニッシャーの印象は薄かった。例えば14年の京都では大黒とのホットラインを形成し、大黒のJ2得点王獲得を大きくサポートしたが、自身はシーズン無得点に終わっている。今季開幕前までのJ2通算成績は165試合11得点だったが、今季はすでにその通算得点数に並び、9月以降は6得点と荒稼ぎ中なのだから“突然変異”ぶりは明らかだ。
本人は「特別に何かを変えたわけではない」と苦笑するが、「ヒロ(高崎)との関係性が向上していることは大きい」と好調の要因を説明する。3月末に加入して以降、1トップとして最前線で大きな存在感を発揮する高崎はポストプレーでも効果的な活躍を見せており、オフ・ザ・ボールの動きが冴える工藤は、その高さと強さを高評価している。
「引き続きヒロの周りをハイエナのように動き回りたい」――。飄々と笑顔を浮かべながら得点を叩き出す工藤の活躍の陰には、間違いなく背番号29の存在がある。両者のコンビネーションの熟成されたいま、さらなるゴール量産が期待できそうだ。(多岐 太宿)