前節・金沢戦(3○0)のチーム3点目に、いまの清水の強さが凝縮されているように思われる。
68分、自陣でボールをカットし、村田が中央からドリブルでボールを前線に運ぶと、右後方からチョン・テセが、左後方からは大前がそれぞれボールを要求する。対するディフェンスは2枚という3対2の状況。ここで、村田はチョン・テセを選択する。ディフェンスを引き付けてボールを出すと、チョン・テセはワントラップから強烈なシュートを見舞った。村田はなぜチョン・テセを選択したのか。「状況的に、より可能性が高いかなと思ったから。でも(大前)元紀に出しても入っていたと思う」(村田)。
シーズンの前半戦は大前が開幕から17試合で12得点と得点ランクトップを独走。その後、大前がけがで離脱すると、それまで黒子に徹し5得点にとどまっていたチョン・テセが、16試合で12得点を奪い、今度は得点王争いをリードする状態になった。そして、大前が第34節・C大阪戦(2○1)から先発復帰。ストライカー二人が共存できるのかという心配をよそに、彼らが先発に戻った3試合で現在2試合連続アベックゴールが続いている。どちらからでも高い確率でゴールが生まれる現状に、対戦相手が苦労することは想像に難くない。
また、こんなデータもある。ここまで清水は36試合で69点を奪っており、1試合あたりの平均得点は1.9得点。しかし、チョン・テセ、大前が2トップで先発した場合は、1試合あたり2.4得点とはね上がり、逆にそれ以外の場合は1.7得点と下がる。自らの得点だけでなく、チームにも好影響を与えているようだ。
二人がいま恐れるのは、そろって出場停止にリーチがかかっている警告のみかもしれない。(田中 芳樹)