北九州の守備が安定化傾向にあるということは、今季ここまでの無失点試合5試合のうち、3試合が最近5試合に集中していることでも証明されている。では、なぜ守備が安定してきたのか。最大の理由はCBの二人、西嶋と福田の存在にある。
西嶋は開幕前の負傷と、それが癒える間際に別の箇所を負傷したことによって、ベンチ入りを果たしたのが8月に入ってからだった。一方の福田は低迷の要因にもなっていた脆弱な守備力の強化の目玉として7月末に大宮から期限付き移籍で加入した。
この二人が初めてCBとしてコンビを組んだのは第29節の愛媛戦(1△1)。以降、前節の讃岐戦までの8試合でコンビを組み続けている二人だが、その存在感は数字にも表れる。第28節までのチームの失点数は1試合平均で『1.7』だったが、西嶋&福田コンビとなった8試合の平均は『0.6』と激減している。この数字を見れば柱谷監督の「西嶋と福田の働きが守備の安定化に果たしている役割は大きい」との言葉にも素直にうなずける。
柱谷監督は特に二人の“はね返す力”を高く評価している。西嶋も福田も空中戦に強く、ロングボールが多いJ2リーグにおいて、失点減に大きく貢献できる戦力となっている。「二人がたいていのボールははね返してくれるので、僕らにはそのほかのことに意識を向けるだけの余裕が生まれた」と言うのは西嶋の右隣りでプレーするSBの星原。その星原は対面するサイドプレーヤーに前向きな圧力を掛けられるようになり、GK鈴木は「クロスに対して無理に飛び出す必要がなく、その後のシュートへの準備に集中できる」と話す。
西嶋と福田の存在がもたらす“余裕”が、北九州の守備力安定の要因と言えるだろう。(島田 徹)