Photos: Atsushi Tokumaru
湘南は52分に試合を決定付けられる3失点目を喫した。J1残留のために負けが許されない状況で与えた3点目に、心が折れても不思議ではなかった。それでも、「最後まであきらめないことがこのチームのスタイル」と山田が言うように、そこから2点を奪う猛追を見せる。結果的には同点に追い付くことは叶わなかった。だが、湘南が最後まで見せた戦う姿勢は、敵将の渋谷監督が「最後の2点、意地は私の目に焼き付いている」と素直な思いを口にしたように、スタジアムに集った人々の記憶に刻まれたことだろう。
試合後、湘南の選手たちは思い思いの表情を見せながらアウェイまで駆け付けたサポーターの下に歩み寄った。すると、スタンドからは大きな拍手が響く。選手会長の島村は言う。「今年は不甲斐ない結果が続いた中でも拍手してくれることが多かったし、一緒に戦ってくれて本当に感謝している。拍手はしてくれたけど悔しい気持ちは一緒だと思う」。
主将の高山も「ブーイングでも正直いいと思う。それでも拍手してもらえるのは感謝しないといけない。拍手されたときに一番悔しい気持ちになった」と感謝の言葉を述べた。
今季も残すところリーグ戦の2試合と天皇杯があるのみ。降格は決まってしまったが、応援し続けてくれている人々のために一つでも多くの勝利を届けなければならない。もう失うものは何もない。この試合で表現できた湘南らしいリスクを犯した攻撃や得点を奪うことにこだわる姿勢、人とボールがよく動く躍動感のあるフットボールを披露することが、何よりもクラブの未来につながるはずだ。(林 遼平)