スピーディー、躍動的、テクニカル。苦手な鹿島に完勝
攻守の切り替えの速さ、相手を上回る運動量、技術を生かした的確なボールのつなぎ。昨季のナビスコカップ、今季の1stステージを制した鹿島の武器である。しかしこの日、そのお株を奪うかのように、スピーディーかつ躍動的で、テクニカルなプレーを披露したのはFC東京だった。その結果、リーグ戦では08年以来となる鹿島戦での勝利を手にした。
98年に1シーズンだけ福岡で現役生活をともにした間柄の両指揮官。先輩の鹿島・石井監督に勝利できたことを、後輩のFC東京・篠田監督は「石井さんも鹿島もずっと背中を追い続けてきた存在。今日は本当にうれしい」と喜びをかみ締めていた。
序盤からFC東京の良さと、鹿島の悪さが顕著に出た試合展開だった。それは好機の場面を振り返るだけでも明らかで、ホームチームは4分、7分と立て続けに流麗なコンビネーションから決定機を作り、14分には中島のスルーパスを河野が先制点に結び付けた。対するアウェイチームは前半をとおして決定機はゼロ。FC東京は守ってもコンパクトな陣形と前からのプレッシングで積極的姿勢を貫き、鹿島を封殺。「前半はパーフェクトな出来だった」と主将の森重も堂々と胸を張ったほどだった。
後半、鹿島も前に出る機会を増やしたが、攻撃はどこかチグハグ。球際の勝負やスプリントといったインテンシティーの高さでもFC東京を上回れず、ゴール前でのシュートチャンスまでは至らない。するとFC東京は84分にFKの流れから前田が2点目を決めて、勝負あり。後半ロスタイムに山本のヘディングでようやく1点を奪った鹿島だったが、時すでに遅し。FC東京が苦手な鹿島に完勝した一戦だった。(西川 結城)