Photo: Norio Rokukawa
内容が良くない中でも結果として勝ち点3をつかむ。これは強いチームの証明でもある。この日の川崎Fは90分トータルの出来に失格の烙印を押すほどではなかったものの、前半の内容は今季ワーストに近かったかもしれない。広島の前線からの守備が非常に効果的に機能し、敗戦を喫した中でも森保監督が「非常にアグレッシブにやってくれた」と称賛するほどだった。GK林も「素晴らしい内容だった」と振り返る。ただ、“いつもの川崎F”であればその広島のプレッシャーもうまく外しながら前進できていただろう。「はじめにあんなにミスをするとは思っていなかった」と風間監督は語ったが、一つひとつの選手のミスからくる観衆のざわめきからも“いつもと違う”ことが感じ取れた。
ただ、そんな状況下であっても、前半を無失点で折り返したことが川崎Fにとって非常に大きかった。後半に入ると冬眠から覚めたように普段の感覚を取り戻し、敵陣でのサッカーを展開。カウンターから危ない場面はあったものの、より難しかった前半を耐えた守備陣にとってはそう難易度の高いものではなかった。結果、2得点を奪い勝利を収めたわけだが、これは大きな前進と言える。なぜなら、2nd第10節・柏戦(2●5)では浮ついた立ち上がりの中で立て続けに失点し、後半に勢いを取り戻したものの、“時すでに遅し”という結果になったこともあったからだ。
今回、そうならなかった裏には守備陣の奮闘があったことは間違いない。特に、昨季のJデビュー戦(1st第10節・広島戦・0●1)の雪辱に燃えていたGK新井は終始的確な判断を見せ、好セーブを連発。また、3バックの中央に入った谷口は冷静なポジショニングと体を張ったブロックでピンチを救った。
1stステージの躍進時もそうだったが、やはり悪い状況でも後ろが耐えることができれば、J最強の攻撃陣があとは“どうにかしてくれる”。それを再確認できたことは、残り2試合に向けて非常に大きな収穫である。(竹中 玲央奈)