慌てなかった浦和。武藤が殊勲の決勝ゴール
立ち上がりから優位に試合を進めたのは浦和だった。開始早々の5分に興梠がクロスバー直撃のシュートを放つと、その後も圧倒的にボールを支配する。
ただ、以降は「チャンスは何回か作れたけど、なかなか決定的なところまではいけなかった」(駒井)。柏木は「良い守備をしていた」と磐田を称賛し、「サイドの裏を一発で狙うか、取ったあとにショートカウンターをしかけられるようなシーンしかなかった」と続けた。「一番大外に出てくるロングボールの回数が圧倒的に2ndステージのほうが多い」と分析した名波監督の、「背後の選択肢をまず消させる」という狙いが的中した形となった。
磐田にもカウンターでチャンスを作れそうなシーンがあったが、浦和の攻守の切り替えとプレッシングが速く、さらに、奪ったあとのファーストプレーの質が悪かったことでなかなか攻撃の形が作れない。一方、浦和も磐田の守備をこじ開け切れない展開が続いたが、「まずは失点ゼロでいこう」(阿部)と我慢することをチーム内で共有した。それは「1点取られると展開的に厳しい」(駒井)ことはもちろん、「最近の試合は必ず1点を決められるという強い気持ちを持ってやっていた」(武藤)から。そして72分、右サイドに流れた李からパスを受けた駒井が縦に突破してクロスを上げると、武藤が下がりながらの難しいヘディングシュートを決めて浦和が先制する。
スコアが動いたあと、磐田は前への意識を高めていくが、それにより守備に緩さが出始める。浦和はそのスキを突いてチャンスを作るも、決め切れず。追加点が奪えなかったことはペトロヴィッチ監督をはじめ多くの選手が話すように反省点だが、磐田にチャンスらしいチャンスを作らせないまま試合を1-0で終らわせた。
2ndステージ優勝。それは浦和にとって通過点に過ぎないが、それに値するだけの確かな強さを見せた試合と言えるだろう。(菊地 正典)