2連勝で迎えた今節・讃岐戦でのウォーミングアップの際、リ・ハンジェはチームの弛緩した空気を察知していたという。「気が緩んでいるぞ」。しかし、そう言って仲間を鼓舞しても、実際のピッチ上では“笛吹けども踊らず”のチーム状態だった。
9分、元町田の木島徹に手痛い先制点を許す。町田はセカンドボールワークや球際の攻防で讃岐の後塵を拝していた。「セカンドボールを拾うことや球際に厳しく行くことで自分たちのリズムになる」とは讃岐の渡邉。球際の攻防や攻守の切り替えなど、局面勝負へのこだわりは何も町田の専売特許ではない。それは讃岐にとっても、譲れない要素だった。
試合の入りにつまずいた町田は52分、仲川が自ら獲得したPKを外すと、57分には讃岐の仲間が2度目の警告で退場処分となり、町田は数的優位に立った。しかし、相手が一人少なくなったとはいえ、町田にとっては歓迎できる状況にはなく、仲間退場後は町田が攻めて、讃岐が守る構図がより色濃くなった。
かくして讃岐の後半シュート数ゼロという数字が物語るように、後半は町田が讃岐を“サンドバック状態”に追い込んでいく。ところが「守備意識が非常に高かった」(清水)讃岐は、体を張った守備で最後の一線を決して割らせなかった。局面勝負で劣勢だった町田が勝ち点3を失い、優勢だった讃岐が勝ち点3を持ち帰る。“サッカーの神様”は、実に正直だった。(郡司 聡)