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日本が10年ぶりの世界切符を勝ち取り、最後は初優勝まで飾れた要因は何だったのだろうか。「あくまで一発勝負の結果なので」と西野朗技術委員長が強調していたとおり、この2年間で日本の育成が劇的に良化するはずもないし、逆に2年前のチームが今回のチームに比して特段に劣っていたとも思えない。巡り合わせのようなものは確かにあったが、「ラッキーだった」としてしまうのは違和感がある。
突出した戦力を持っていたケースを除くと、こうした短期決戦を制するチームにはいくつか共通点がある。
まず一つは尻上がりであること。グループステージの第1戦・イエメン(3●0)の出来は最低で、第2戦・イラン戦(0△0)も悪かった。ここでチームメンタルが危機感の中で醸成されたことは多くの選手が証言するところで、たとえばFW小川航基も「第2戦が終わってから第3戦にかけて、チームの雰囲気が変わった」と語っている。フィジカル面のコンディショニングという意味でも、準々決勝をピークに据える調整は功を奏した。
もう一つは選手層である。同じ11人で大会を戦い抜くのは不可能で、実際今大会も第2戦でMF神谷優太が負傷離脱した。今回はその穴をMF市丸瑞希が見事に埋めただけでなく、気丈に振る舞う神谷の存在はメンタル面でもチームに好影響を与えた。
時の運は、これら大会を前にした準備や大会中の成長のあとに来た要素だろう。決勝トーナメントの組み合わせに恵まれたことは否定しないが、それはグループを1位抜けしたからこそ得られたアドバンテージ。「それを言われるとメラメラする」と小川が言うように、選手からすれば豪州やバーレーンといったライバル国が勝手に負けていただけの話で、「知ったことか」という話である。
もちろん結果を残したときこそ謙虚さは大切にすべきで、選手個々に反省点は意識するべきだし、チームとして世界大会に向けて改善するべき部分が多々あるのも事実。ただ、この栄冠を変に卑下する必要はない。トーナメントで勝つ要素をしっかり備えたチームだったからこそ、日本はタイトルを勝ち得たのだから。(川端 暁彦)