Photo: Atsushi Tokumaru
試合終了のホイッスルが鳴ると、何人かの選手はピッチに倒れ込んだ。勝てなかった。しかし、年間勝点2位の川崎Fが敗れた報を知ると、その瞬間、埼スタは歓喜に包まれた。強くこだわってきた年間勝点1位。その座をついに手にすることができた。
柏木のパスから李とのワンツーで抜け出した関根がシュートを放ち、こぼれ球を柏木が押し込む。66分に奪ったゴールはまさに浦和らしい鮮やかなパス回し、崩しから生まれたものだった。その一方、終盤の85分に失点。「やられるならカウンターしかない」(阿部)と分かっていながら、スキを突かれた。相手を褒めるべき失点というよりは自分たちに問題のあった失点だった。
ただ、年間勝点1位は手にした。ペトロヴィッチ監督は失点シーンについて、「相手にチャンスがほとんどない中で失点してはいけないし、今後あってはいけない」とした上で「この試合で(そういう失点が)あったのは前向きに捉えたい」と話したが、年間勝点で最後まで争った川崎Fと対戦する天皇杯、そしてチャンピオンシップ(CS)に向けて気を引き締める材料になったと言えるだろう。
普段は勝利した際にベンチ入りメンバーでサポーターとともに歌ってきた「We are Diamonds」。この日は引き分けながらベンチ外のメンバー、スタッフ、そして長期離脱中の梅崎も含めて全員で歌った。試合後、サポーターが掲げたコレオグラフィーには“CHAMPIONS”と描かれていた。年間で最も勝ち点を取った、つまり年間で最も強いチームであったことを意味する年間勝点1位に輝いたのは浦和だった。レギュレーション上、CSを制したチームが“王者”となることは間違いなく、まだまだ気を緩めることはできない。それでも大きく胸を張れる、ミシャレッズの5年間の思いが結実した年間勝点1位だった。(菊地 正典)