Photo: Norio Rokukawa
大事な試合を落とすという歴史を繰り返してきた、これまでの川崎Fを象徴するような敗戦だった。ただ、これでシーズンが終わったわけではなく、まだチャンピオンシップが残っている。だからこそ、どこかにポジティブな側面を見いださなければいけない。そう考えると、真っ先に挙げられるのは若手の躍動だろう。
「チームの底上げというのも若手に懸かっているので、そういうのを明日の試合で見せたい」
試合前日に長谷川はこう語っていた。年間首位を取りにいくこともそうだが、中村や大久保に頼るだけではなく、いわゆる若手の選手たちの台頭が何よりも必要だという思いを強く持っていたのだ。
そして、その長谷川は6分に大久保のシュートのこぼれ球に詰めてプロ初ゴールを記録すると、18分にはU-19日本代表から帰ってきたばかりの三好が追加点を記録した。得点以外の局面でも二人が見せたボールタッチ、間を突く動き、そして前への推進力は際立っていた。
「若い二人がどんどん勢いを持って前への推進力を出してくれて、点を取ってくれた。前半は本当に素晴らしい試合をしていた」と最終ラインの谷口も賞賛した。だが、勢いに精度があと一つ、足りなかった。やはり押し込み続けた前半でもう1点を取っておけば、試合は決していたし、彼らにとっても最高の成功体験になったことは間違いない。
だからこそ、「あの二人をヒーローにできなかったというところに関しては不甲斐ないというか、情けない」と谷口は悔やむ。しかし、冒頭にも述べたとおり、これを収穫と捉えて進むしかない。
これまであまり結果が出なかった次世代を担う選手が結果を残したことは、うれしい収穫であり、タイトルへ向けたアクセルだと捉えたい。(竹中 玲央奈)