この終盤にきて今季初の連敗を喫した札幌。「目に見えない重圧がある」とポジティブシンキングな都倉でさえ口にした状況だったが、この試合ではそれが嘘のように立ち上がりからチームが躍動し、立ち上がりから得点を量産した。3分にショートコーナーからジュリーニョが体で押し込むと、11分には都倉がセットプレーから加点。そして27分には10試合ぶりの出場となった荒野がシュートのこぼれに詰め、前半30分までに3-0のスコアにし、2万人超の札幌ドームに熱狂を呼び込んだのである。その後、33分に1点を返されたが、すぐにオウンゴールから4点目を奪い、札幌は4-1の快勝を収めた。
序盤戦から順調に白星を重ね、5月には首位に立った札幌。苦手としていた夏場にも勝ち点3を取り続けると、首位を爆走した。それがこの終盤戦にきての失速。都倉は告白する。「清水に順位を抜かれる夢を見てしまった」。勝ち点を積み続けていたということは、逆に言えば負け慣れていないということ。クライマックスにきてのまさかの連敗には、札幌の昇格ストーリーが劇的に書き換えられてしまうのでは? と見る向きもあっただろう。だが、そこで札幌は勝った。「目の前に現れた壁を、自分たちの力で乗り越えた。良い成功体験がつかめたと思う」(都倉)。
目の前に現れた壁や重圧を、札幌は誰に頼ることなく自分たちの力で見事に乗り越えてみせた。あとは、力強く前身でゴールテープを切るだけ。この勝利によって、次節でのJ1昇格の可能性が出てきた。普段は過酷なはずの中2日でのアウェイゲームも、この日の勝利による勢いそのままに、札幌が長い昇格レースを、ライバルの背中を見ることなくフィニッシュしてみせる。(斉藤 宏則)