自動昇格圏内を維持したい松本と、今季の残留を確定させたい熊本。いよいよ昇格争いと残留争いが混沌とする中、異なる目標を掲げる両者の意地と意地のぶつかり合いが、拮抗した展開を導いた。
シュート数だけみれば、松本の17本に対して、熊本は3本とワンサイドゲームを連想させる。確かに試合開始直後から主導権をつかんだ松本は、前への圧力を掛けて熊本を自陣へと押し込む。しかし「出し手と受け手だけでなく、もう一工夫欲しかった」と反町監督が振り返るように、松本には攻撃のバリエーションが足りず、熊本守備陣に容易に対応されてしまう。31分に得たPKの好機も熊本GK佐藤の好セーブに阻まれ、ゴールネットを揺らすには至らない。
しかしスコアレスのまま迎えた後半、松本はサイドチェンジなど大きな展開を取り入れることで徐々に得点の匂いが漂い始める。そして67分。右サイドの工藤からのクロスに対し、熊本守備陣が一瞬の綻びを見せる。DFとDFの間に空いたスペースに落下したボールを、走り込んだ高崎が頭で押し込んだ。決定機を逃さなかった松本が虎の子の1点を最後まで守り切り、難敵の熊本を振り切って勝利。2位以内の自動昇格圏をキープした。(多岐 太宿)