窮地を救ったキーワード。“闘志”と“ブルーノ”
中3日という日程だったことも大いに影響しているが、2連敗を喫したことで前節・熊本戦(0●2)から先発を5人入れ替えてこの試合に臨んだ札幌。そしてそのメンバー選考の大きな要因の一つを「闘志が表に出る選手」と四方田監督は明かした。
ジュリーニョ、荒野、河合の3選手はその筆頭だろう。ジュリーニョと荒野はどん欲にボールを追い回し、球際でのファイトでは逃げるどころか積極的に体をぶつけていくタイプ。荒野はこの試合で右眉上からの出血と同時に、スパイクの紐がちぎれるほどのタフなバトルを演じた。そして闘将の河合。「とにかく勝つことだけを考えて試合に挑んだ」という生粋のチームリーダーは終始、大きな声で周囲を鼓舞し、コーチングをし、雰囲気を盛り上げた。要所ではファウルを犯してでも相手の突破を封じ込めた。連敗を止めた要因として、彼らファイターの起用が間違いなく一役買っていた。
そして、通常の試合ではスタンドから試合を見守るブルーノ・クアドロスコーチが前節からベンチ入り。
「通訳を介さず、ブラジル人選手にダイレクトで指示ができるブルーノがベンチにいるのは非常に大きい」と沖田優コーチ。実際に開始早々にジュリーニョが得点を挙げていることからも、その効果を感じずにはいられない。また、「(ブルーノコーチは)控え選手にも要所で声をかけてくれるので、ベンチの雰囲気も盛り上がる」とはこの試合でベンチスタートだった上原の弁。日本人や控え選手に対しても好影響を与えた。
戦術や戦略、そういった論理的な部分にばかりフォーカスしてしまいがちになるが、やはり最後に物を言うのは気持ちなのかもしれない。ハイテンションな選手の起用と、ブラジル人コーチのベンチ入り。札幌が悪い流れを食い止めた背景には、そうした、メンタル的な要素も大いにあったようだ。(斉藤 宏則)