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[コラム・日本代表]不可欠な選手と怪物のポジション争い/日本代表特集

2016/11/9 6:00


Photo: © JFA
 小さな声と、控え目な話しぶり。奇抜な髪型とは裏腹に、山口蛍は記者の前では自分を押し出さない。守備的MFという、チームで言えば縁の下の力持ちの役割でもあるだけに、メディアの取り上げられ方にも派手さを欠く。しかし、彼の存在感がハリルジャパンで急速に高まりつつあることは紛れもない事実だ。
 先月のイラク戦(2○1)で挙げた、劇的なロスタイム弾によるものだけではない。9月のタイ戦(2○0)であらためて示したボール奪取力の高さ。それは10月の豪州戦などでも変わらず発揮されていた。ザックジャパン時代は“インテンシティー”という言葉が広がり、その体現者として評価された。そして現監督の“デュエル”というキーワードのもとでも、山口は欠かせない選手となっている。
 そんな日本屈指のボランチに、「怪物ですね」と言わしめる選手が今回新たに代表に加わった。井手口陽介。今夏のリオ五輪にも出場したハードワーカーは、所属のG大阪では自慢の運動量とボール奪取力を生かした守備だけでなく、機を見て前に出ては得点も重ねている。守って、攻めて。攻守で回転数の高いプレーを繰り返す姿は、山口と重なる。
「あの年齢(20歳)で代表に入るのはすごい。ボールも奪えるし、ミドルシュートもある」と山口は素直に後輩を認める。一方の井手口は先輩について「プレーを見ていても似ている部分はあると思う。似ている選手には絶対に負けたくないし、年の差も関係ない。100%以上の自分を見せたい」と鼻息荒く意気込む。
 予選を勝ち抜く上で、そしてヴァイッド・ハリルホジッチ監督のサッカースタイルを考慮しても、激しいプレーをいとわないボランチは不可欠。現状は山口がその最右翼の選手だが、今合宿と親善試合・オマーン戦で井手口がどこまでのアピールができるかも注目のポイントとなる。「緊張している」。髪を金髪から黒く染め直した井手口はそう殊勝に話したが、ピッチでガツガツと激しい本来のプレーができるか。大阪勢同士の競争促進が、代表を活性させる。(西川 結城)

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