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[日本代表]増幅する“ミスマッチ”の感覚。求められる折衝/キリンチャレンジカップ2016 オマーン戦コラム

2016/11/11 6:00


Photo: © JFA
 先月の豪州・メルボルンで本田圭佑はこう言い放った。「いまの内容に満足は全然していない。それは全選手に言えると思う。監督が求めることの比率が高過ぎるというか。要は、縦へのスピードと、相手を引き出す駆け引きのある組み立て。その比重がどちらかというと縦への割合が多過ぎる。僕がやりたいことと監督が要求していることの比率に、満足していない」
 基本的にサイドで起用される本田が、スピードのない自分にはそぐわないスタイルであるハリルジャパンの縦への攻撃に、不満を漏らす。どこか愚痴にも聞こえるかもしれないが、この“ミスマッチ”な感覚はいま、実はチーム全体でも叫ばれている。
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が掲げる“デュエル”や“縦に速い攻め”は、日本人がこれまで得意としてこなかった要素だ。世界で戦う上で、弱点強化のために強調しながらチーム作りを進めているが、選手たちは元来自分たちが保持していた技術や連係といった特長の喪失に、危機感を覚え始めている。
 確かに、最終予選の試合でも、リードした展開ながら縦に急ぐ慌ただしいプレーが連続していた。ボールを落ち着いて保持し、技術を生かして試合をコントロールしていく。そんな戦い方の使い分けが重要だ。
 本田の発言が独りよがりでないことは、ほかの選手の言葉からも分かる。主将の長谷部誠が「今回のボランチの顔ぶれを見ても、ポゼッションしてリズムを作っていくことが特長の選手はいない。ただそれでも、試合をコントロールするような時間帯を作らないといけない」と語れば、ディフェンスラインからは森重真人が「これまでは監督の考えを聞いて、それを実践することが多かった。ただプラスαが必要なら、もっと選手が意見を出して作っていかないといけない」と語る。
 はたして11月の2試合でそうした兆しはピッチに表れるのか。「コンビネーション、そのときの選手の動き方、ボールの持って行きどころを、ちょっとだけ変化をつけたい」(本田)。指揮官と選手の折衝。今後の代表を左右する、本質的なテーマである。(西川 結城)

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