Photo: 佐賀新聞社・鶴澤弘樹
鳥栖にとっては“3度目の正直”ならず。広島が“2度あることは3度ある”と証明した。今季2度の対戦でいずれも広島に3失点を喫している鳥栖だったが、過去の教訓は生かされなかった。
5枚がワイドに並ぶ広島に対し、[4-3]のブロックを敷く鳥栖は中央の守備に厚みを持たせるために個々の距離感をかなり詰める。結果として「距離が狭過ぎて相手がワイドに使える状況」(林彰洋)が生まれてしまった。さらに戦術的志向としてタイトにプレッシャーを掛ける鳥栖だが、それも対広島では裏目に出た。食い付き過ぎるために裏への意識が希薄になり、「裏を突かれるのがイヤなのに、簡単に突ける状況」(林彰洋)を広島に与えてしまう。その背後を突かれて喫した先制点の場面はあまりに象徴的だった。
過去2戦の敗北を生かせなかったマッシモ・フィッカデンティ監督の采配も問題だが、鳥栖の選手たちも準備してきた戦術にあまりに忠実過ぎた。逆に広島は先制の好機を見逃さずに主導権を握ると、その後も効果的な形で得点を重ねた。先制すれば無類の強さを発揮する広島が試合運びという点でも鳥栖を上回った。今季3度の対戦でいずれも3得点。鳥栖の戦術的な欠陥を逃さないからこその結果だった。(杉山 文宣)