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ハリルジャパン史上最高の出来で難敵を撃破
「私は躊躇なく、より良い選手を選んでプレーさせた」。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は本田圭佑、香川真司、岡崎慎司の“ビッグ3”をベンチに置き、11日のオマーン戦(4○0)で2得点を決めた大迫勇也を1トップ、22歳のFW久保裕也を右サイドで先発起用した。ハイプレッシャーを掛ける日本は大迫の力強く柔軟なポストプレーを起点に清武弘嗣が高い位置でつなぎ、原口元気が左から積極的にしかけ、序盤からチャンスを積み重ねた。
サウジアラビアも最初から引くことはなくボールを奪いにきたが、日本はCBコンビとGK西川周作の正確なボール回しでいなし、前線に速いパスをつけて次の攻撃につなげた。ハイインテンシティーの攻防で優位に立った日本だが、久保の落としからフリーの大迫が放ったシュートは枠を外れるなど、最後で決められない。前半終了間際の先制点は久保のクロスのこぼれ球を拾った清武のシュートがアブドゥルマレクの上腕に当たり、それがハンドと判定されるラッキーな形でのPKだった。
後半スタートから久保との交代で入った本田が清武と絡んで起点となると、左から原口が推進力を発揮してゴールに迫り、機を見て右SBの酒井宏樹が攻め上がる形ができた。鮮やかな追加点はトップ下に香川を投入してから11分が経過した80分。左に流れた本田とのパス交換で縦に突破した長友佑都がグラウンダーのクロスを上げると、ニアで香川が触ったボールを原口がダイレクトでゴール左に流し込んだ。「僕たちが作って最後彼ら(若い世代)に点を取らせるというのは感慨深い」と長友が振り返るゴールだが、大迫が左前に走り、山口蛍がファーに飛び出すことで原口のコースを作っており、“組織のチーム”を象徴するゴールとなった。
終盤は「ちょっと詰めが甘かった」と吉田麻也が振り返るとおり、サウジアラビアのパワープレーに対応し切れず1点を返された。それでも、指揮官が目指すサッカーを最も発揮する形で難敵を破り、W杯アジア最終予選の前半戦を終えたという意味でも先につながる勝利だった。(河治 良幸)