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[後藤 健生]とても手放しで喜べる試合ではない/サウジアラビア戦後 クロスレビュー①

2016/11/18 6:00


Photo: © JFA
新鮮な顔ぶれが並んだ一方で…

 日本の完勝だった。だが、アジアの相手に対してホームで勝ち切るのは当然。ようやく本来の姿を取り戻しただけのこと。終盤の失点で守備の脆さも露呈してしまったし、とても手放しで喜べる試合ではない。 最大の注目は長く日本の攻撃の中心を担ってきた本田圭佑、香川真司、岡崎慎司の3人が先発から外れたこと。コンディションが万全でないことが原因で、当然の決定だろう。
 これまで若手の起用に積極的とは言えなかったヴァイッド・ハリルホジッチ監督も、オマーン戦を見て決断したのだろう。サウジアラビア戦での攻撃陣は1トップに大迫勇也、右MFに久保裕也、左MFに原口元気と新鮮な顔ぶれが並んだ。いずれも、所属クラブで活躍する“旬の選手”たちである。
 ただ、残念ながら一緒にプレーした経験のほとんどない選手たちだけに連係は悪く、フィニッシュ段階でのパスがどうしてもズレてしまう。それがPKを含めての2ゴールだけに終わった最大の原因だ。

若手を起用するのはもう少し計画的に

 例えば、右サイドでプレーした久保。代表入り自体が久しぶりの上に、右サイドというのも本来のポジションではない。久保はオマーン戦でも交代出場しているが、このときはセカンドトップ。本来のポジションだった。途中から右サイドで起用したとはいえ、もし、久保を右サイドで起用する構想があったのなら、オマーン戦でももっと長く右サイドで起用して少しでも慣れさせておいてほしかった。
 ハリルホジッチ監督は最終予選の初戦・UAE戦(1●2)でも、初代表の大島僚太(川崎F)をいきなり先発させた。最も緊張感の高い試合であり、大島が本来のパフォーマンスを発揮できなかったのも当然だ。
 いずれも将来の日本を背負って立つかもしれない有能な人材なのだ。若手を起用するのなら、もう少し計画的に配慮してほしいものだ。格下相手のW杯アジア2次予選という、若手のテストの格好の機会をみすみすフイにしてしまったのが惜しまれる。
 ただ、攻撃では機能しなかった久保だが、守備面で貢献したのは事実。両サイドの原口と久保は守備面で大いに貢献した。今後もコンディションの良い選手を優先して起用していくべきなのは明らかだ。(後藤 健生)

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