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結構相性が良いのでは
予選の折り返し地点になる5試合目にして、ようやくチームが軌道に乗った感がある。初戦のUAEに敗れた(1●2)あと、さまよいながらやっと先の見える大きな道へ戻れた。
サウジアラビア戦は、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の指向するサッカーがこれまでで最もよく表れていたと思う。
中盤に守備ブロックを作って迎撃し、カウンターを狙う。これをベースにして対戦相手に応じて戦い方を変化させ、それに従って人選も代える。選手に合わせて戦術を組むオーダーメード型ではない。そうしてしまうと変化はつけられなくなるからだ。相手と試合の性質で選手を入れ替えて戦術に変化をつける対応型である。
サウジアラビア戦は、勝ち点3を取るために前線からプレスに行く必要があり、それに合った先発メンバーとなった。ボールと人にはしっかりプレッシャーを掛けていたが、かいくぐられたときにスペースを空けてしまってピンチを招いた場面もあり、すべてがうまくいったわけではない。ただ、サウジアラビアは日本のプレスに苦しみ、何度もパスをカットされていた。
引いて構えた豪州戦(1△1)にも言えることだが、どちらも相手のレベルが上がれば通用しないところはある。しかし、より重要なのは当面の相手に効果的かどうかであり、その点では十分効果はあった。丁寧に戦って僅差勝負をモノにしていくべき今回の予選のあり方と、ハリルホジッチ監督の現実主義は結構相性が良いのではないだろうか。
災い転じて福となるかも
停滞していた世代交代が一気に進んだようにも見えるが、主力欧州組のコンディション低下によって総力戦を余儀なくされた結果だろう。サウジアラビア戦で好調だった清武弘嗣も、所属のセビージャではプレー機会が少ない。次は清武も本田や香川と同じようにコンディションに問題を抱えることになるかもしれない。
とはいえ、苦しみながらも事態は好転しつつある。世代交代、堅実な守備組織の構築、素早い攻め込み、アジア予選とW杯のギャップをどう埋めるかなど、これまで課題とされながら進展していなかった事柄が、期せずして解決へ動き始めた。災い転じて福となるかもしれない。そのときは、サウジアラビア戦こそ分岐点となった試合として振り返えられるのだろう。(西部 謙司)