■北海道コンサドーレ札幌
ジュリーニョ、福森が出場停止も、引き分け以上で自力優勝、昇格が確定
引き分け以上ならば問答無用でJ1昇格、負けても得失点差で3位を下回らなければOK。安泰とは決して言えないものの、この最終節を首位で迎える優位性はやはり大きい。振り返れば、第11節の金沢戦(1◯0)に勝って首位に立ってからここまで、一度もその座を譲ることなく走り抜けてきた。その集大成となる最終節。奇しくもそのときと同じ相手との試合を終えて、今季最大の歓喜を得たいところだ。
ただし、不安材料が皆無なわけではない。今節はジュリーニョ、福森がそろって出場停止。ジュリーニョが負傷で出場できない試合は幾度かくぐり抜けてきたが、ここまで39試合に出場し、その左足で絶対的な攻撃の起点となり、セットプレーから数多くの決定機を生み出してきた福森の欠場は、極めて痛いと言うしかない。攻守の要の穴をどのように埋めるのか、大きなカギとなりそうだ。
前述したように引き分け以上で昇格をつかみ取れる状況。しかし、「引き分けを意識し過ぎて消極的になってしまうのはよくあるケース。狙って持ち込めるほど引き分けは簡単ではない。積極的に戦いながらもバランスを保ちたい」と四方田監督は引き分けの難しさを強調した上で、バランス良く戦うことでハッピーエンドに持ち込む構えであることを明かす。
さあ、いよいよ時はきた。結果次第では「天国と地獄」(四方田監督)の両方が待ち受ける大混戦の最終節。J1昇格プレーオフ進出の権利はすでに手にしているものの、5月からここまで首位を走ってきたチームが最後の最後でプレーオフに回るとなれば、流れが一変し得るのは誰が考えても分かること。やはりここで決めるしかない。札幌ドームで勝ち点を奪い、11年以来の歓喜で冬の北海道に熱気を呼び込め。(斉藤 宏則)
■ツエーゲン金沢
首位相手にJ2残留を懸けた大一番。自分たちのサッカーで勝負する
「先制点が大事になる」。そう言って臨んだ試合を「先制されたことが痛かった」と振り返り、「次に切り替えて」迎えたはずの試合で、同じ流れ、同じ言葉を繰り返す。そんな前半戦だった。後半戦は持ち直したものの、得点力不足はいまだに解消されていない。
最下位に沈んでいるのはただ単に“チーム”だけの問題ではない。今季補強したロマリーニョとダビが二人合わせて1ゴール0アシストという成績で日本を離れたことをはじめ、“クラブ”としてもここまでの過程を問われる一年になった。
今節札幌に敗れればJ3降格がほぼ決まってしまう。仮に首位を相手にジャイアントキリングを達成しても、岐阜と北九州がそろって勝てば金沢の降格は色濃くなる。J2・J3入れ替え戦に回った場合は、ポジティブに捉えて戦うべきだろう。しかし、他力とはいえ、金沢はまだ自動残留の可能性を残している。
目の前の相手に勝てるかどうかは自分たち次第。大観衆が詰めかけるであろう札幌ドームで何を見せるのか。「自分たちにできることは、勝ち点3を取りにいくこと」(森下監督)、「最後まで戦う気持ちを出さないといけない」(原田欽)、「ウチはとにかく勝つしかない」(太田)。
相手のプレッシャーを恐れずに、最終ラインからボールを動かす。つなぐことへの取り組みが、ここにきてようやく実を結ぼうとしている。それは前々節・千葉戦(1●2)、前節・横浜FC戦(0△0)の試合内容にも反映されていた。いまは芸術点より勝ち点が求められるジレンマもあるが、過去の反省の先にたどり着いたこのスタイルに、選手たちも手ごたえを口にする。詭弁や皮肉ではなく純粋に、金沢は自分たちのサッカーで勝負する。(野中 拓也)