人生を懸けた戦いはスコアレスドロー。札幌は優勝、金沢は自動降格回避
首位の札幌は引き分け以上でJ1自動昇格が決まる一方で、負ければ3位転落もあり得る状況。「天国と地獄は裏腹だぞ」と四方田監督がチームを引き締めて挑んだこの最終節。勝てなければ降格、勝てば残留の可能性があり、同じようにこの一戦にすべてを懸ける最下位・金沢との対峙。もはや首位vs最下位といった構図など無意味とも言える、男と男の人生を懸けたバトルとなった。
キックオフ直後から交互に敵陣に侵入する目まぐるしい展開。太田が都倉に激しくチャージをしかけて、直後には都倉が馬渡に厳しい当たりを見舞う。そうした肉弾戦に呼応するようにギッシリと埋まったスタンドから大声援が送られる。ザ・最終節。そんな空気がひたすらに充満した。
ただし、互いに中盤でつぶし合う展開は、「引き分けを意識し過ぎず、バランスを保ちたい」という四方田監督のプランと符号する。金沢が勝利を求めている状況を踏まえれば、札幌のコントロールのもとに試合が推移していたとも言えるだろう。
ジュリーニョ、福森というキーマン二人を出場停止で欠く札幌だったが、不足した個の力をグループで埋めた印象だ。ナイフがチラつくような怖さはないが、ジワリジワリと生き残りを狙う金沢に圧力を掛ける。大観衆の声援に背中は押されながらも、落ち着いて試合を進めていった。
終盤には金沢が中盤の底に秋葉を、最終ラインに阿渡を投入。札幌は内村を入れてカウンターの刃を見せつつも、同じくボランチに前寛を配置。他会場の経過をにらみつつ、札幌も金沢もともにペースダウンをさせながらリスクを軽減し、時計の針を進めた。
そして0-0のままタイムアップ。互いに勝ち点1を積み、札幌がJ1昇格とJ2優勝を達成。金沢もひとまずはJ2・J3入れ替え戦に回る21位の座を確保して16年のリーグ戦を終えた。(斉藤 宏則)