後半の配置転換が奏効。2点の劣勢を大逆転
24回目のJユース王者を決する戦いは、高円宮杯プレミアリーグWESTで首位を独走する広島ユースと夏のクラブユース選手権(U-18)を制しているFC東京U-18の対戦となった。
前半から拮抗した展開となったが、チャンスをモノにしたのは広島。28分にこぼれ球を1年生MF松本大弥がミドルレンジから豪快に蹴り込んで先制点を奪うと、終了間際の45分にもFW山根永遠が粘り強く押し込んで追加点。2点のリードを奪った。
ただ、FC東京の佐藤一樹監督は「決して悪い内容ではなかった。下を向いている選手もいたので、まずそのことを伝えた」とチームを静かに鼓舞。同時にFWへ久保建英を投入しつつ、選手の配置を大幅転換して反撃に出た。
この采配は功を奏した。特にボランチに下がったMF内田宅哉が攻守の運動量と確かな判断力を見せると、相棒のMF平川怜もより輝くようになってチームの機能が改善。後半立ち上がりからの猛烈なラッシュを実現させた。「“圧”を掛けられたあの時間帯でもう少し…」と広島の沢田謙太郎監督が嘆いたように、この後半立ち上がりが勝負の時間帯だった。相手のビルドアップを前線から追い込んでいくFC東京の圧力を、広島はうまく打開できない。FC東京は50分にFW松岡瑠夢が右足で反撃の1点を流し込むと、続く53分にもPKを奪ったFW半谷陽介が自ら決めて、同点に追い付いてみせた。
ただ、広島も簡単に折れるチームではない。この嵐のような攻勢から徐々に反撃を開始。推進力のあるMF満田誠や得意のサイド攻撃からチャンスを作り出し、試合は再び拮抗したものとなった。
そんな流れの中で、勝敗を分けたのは交代選手だった。延長後半の107分、相手GKのキックミスを拾った久保がDF3枚を引き付けるドリブルからスルーパス。延長直前から交代出場していたMF荒川滉貴がこれを冷静に流し込み、3-2。FC東京が死闘を制し、夏に続く“二冠”を達成した。(川端 暁彦)