Photo: Norio Rokukawa
これ以上ない勝ち方で鹿島が決勝進出
川崎Fの初戴冠への進路を阻んだのは、またも鹿島だった。18個目のタイトルを奪うためには勝利が絶対条件の鹿島だったが、50分に奪った金崎のゴールを死守。伝統とも言える勝負強さを発揮して、年間勝点1位である浦和への挑戦権を手にした。
風間監督はこの試合を「(得点が)入らないときは入らないな、というゲーム」と形容したが、大島、中村憲剛、小林が先発を外れたにもかかわらず、確かに川崎Fは鹿島以上に多くのチャンスを作り出した。特に後半、鹿島に先手を許してしまったあとは猛攻をしかけ続け、鹿島に追加点が入る気配はほとんどなかった。「点を取ったあとの10分、15分ぐらいは難しかった」と永木が語ったように、鹿島はボールを奪ってもすぐに奪い返され、またも攻撃を受けるという状況が続く。その中で川崎Fは三好や負傷した長谷川に代わり前半途中からピッチに入った中村憲剛、そして67分から途中出場した登里らを中心に積極的に攻め込んだが、鹿島の体を張った守備、球際の強さの前にネットを揺らすことができない。
攻める川崎F、耐える鹿島という構図が続く中、時計の針は刻一刻と進み、ついに後半ロスタイムに突入。川崎Fは長身のエドゥアルドを最前線へ送りロングボールでゴールに向かったが、植田を投入した鹿島の牙城を崩せない。終了間際には右サイドからエウシーニョが上げたクロスを中でフリーだった谷口が頭で合わせたが、無情にも枠の外へ外れていった。そして、次のプレーで試合終了のホイッスル。年間勝点3位の鹿島が、『13』もの勝ち点差があった年間勝点2位の川崎Fを退け、チャンピオンシップ決勝進出を決めた。その瞬間、またも悲願のリーグタイトルを逃した川崎Fの選手たちはピッチにうなだれた。
「エースが決めて終わるというのは、これ以上ない勝ち方」(昌子)。苦しみながらも耐えて勝利し“強さ”を証明した鹿島が、大逆転での王座奪還に挑む。(竹中 玲央奈)