今までやってきたことを全部出すただ、それだけ
攻撃でも守備でもバランス良く戦えた
−Jリーグチャンピオンシップ(CS)が近付いてきましたが、まずは年間勝点1位、おめでとうございます。年間勝点1位になった心境はいかがですか。
「うれしいことはうれしいです。でも『優勝した!』という感じとも、またちょっと違うかな」
−チームとして開幕前から年間勝点1位にこだわってきました。
「年間勝点1位になることでCSも決勝から戦えるわけですし、ACLの出場権も取れるということは分かっていましたから、そこを目標にやってきました。特に(興梠)慎三は『これはタイトルだから』と言っていました」
−サポーターもシャーレのコレオグラフィーを作ったり、浦和に関わる人にとっては年間勝点1位が最強の証だということですね。確かにタイトルではありませんが、チームとしてそれを達成できたことは一つ大きなことではないですか?
「本当に2ndステージはあらためて自分たちの力を発揮できたし、今までは(終盤に)落ちてきたけど、今季は上がっていきました。自分の成長もそうですが、チームとしての成長も大きかったです。2ndステージの途中からは先発を何人か代えたことで、試合の途中から入ってくる選手も高いモチベーションで臨むことができました。それから、メンバーに入らなかった、特にベテランの選手たちが練習ですごく良い姿勢を見せてくれたのも大きかったです。だから本当にチーム全員で勝ち取った年間勝点1位でした。ただ、欲を言えば(J1史上)最多勝ち点を取りたかったですね(※)」
(※)勝ち点74は昨季の広島と並んで、J1史上最多タイ
−チームの成長、という話が出ましたが、具体的にどのあたりが成長したと感じていますか?''
「やっぱりチームとしてバランス良く戦うところです。攻撃に関しても守備に関しても、行くところと行かないところのメリハリがすごくできてきました。2ndステージは全試合で得点できましたし」
−2ndステージで敗れた2試合(第9節・川崎F戦、第10節・神戸戦)も1-2でした。唯一、浦和より得点数が多かった川崎Fも無得点試合が2試合あったことを考えれば、全試合得点は偉業だと思います。
「0-0で進む試合も結構多かったですけど、後半で点を取れる試合も多かったです。本当に我慢強く戦えたなと思います」
−点を取れるから我慢できる、ということもあるのでしょうか?
「昔は0-0で時間が経過すると、攻め急ぎ過ぎてカウンターを食らうシーンが多かったですが、いまは絶対に点を取れるという自信が付いたから攻め急がなくなったのかもしれません。サッカー選手は自信が付くか付かないかで全然違います。それは、トシ(高木)なんかが分かりやすいです。(高木に足りないのは)本当に守備のところだけだったと思います。俺は『本当に試合に出て活躍したいならそれ(守備)をやらないと無理なのでは』と言い続けました」
−柏木選手個人も走行距離は多いですね。
「途中交代しなければ、だいたい11kmぐらいかな。それは走らされているのではなく、攻守ともに自らアクションを起こせていることが大きいです。それ以上走る選手もいるけど、自分は走る質だったり、タイミングだったりにもこだわりたい。守備でも攻撃でも『ここにいなければいけない』っていうところにしっかり行けていることが大事です」
監督と切磋琢磨し成長できている
−広島では07年の途中から、浦和では12年からミハイロ・ペトロヴィッチ監督と一緒に戦ってきた柏木選手ですが、今季、ついにルヴァンカップでタイトルを獲得しました。
「『監督自身も日々変わってきているので、俺も変わらないといけない』と思えたから、選手としても人としても、より成長できたと思います。それに、チームメートや先輩たちの姿を見て思う部分もたくさんありました。あとは代表にもハリルさん(ヴァイッド・ハリルホジッチ監督)が選出してくれました。それは本当に感謝しているし、また頑張ろうという気持ちにさせてくれたから、ここまでくることができたと思います。11月の日本代表からは外れたけど、頑張ろうという気持ちは全然なくなりません。もっとうまくなりたいという気持ちのほうが強くなっています」
−今季はペトロヴィッチ監督にも変化が感じられましたか?
「広島のときはミーティングが少なかったですけど、いまは次の試合に向けてミーティングを約1時間はやります」
−タイトルへの意識も変わってきた印象ですか?
「もちろんレッズに来て変わったと思います。タイトルを獲りにきているというのは伝わっています。広島のときは育成を重視しながら、どちらかというと結果よりも内容のことで怒ったりしていました。負けても良い内容だったら『ナイス』と言ったり、勝っても内容が悪かったら『ダメ』。いまもそういう傾向は多少ありますが、勝利にこだわる姿勢に変わってきています。それに、これまでは試合中に熱くなり過ぎているような部分がありましたが、いまは冷静です。だから、監督とはお互い切磋琢磨しながら成長できていて、本当に家族という感じです」
−今季、特にチームとしてここが変わったと思うことはありますか?
「一番はマキ(槙野)とモリ(森脇)がバランス良くプレーするようになったこと。それが失点が減った大きな理由です。あの二人自身は点が取れなくなりましたが、守備に貢献することによって前の選手がしっかり結果を出せています。以前はボールを奪ったあとに『あそこ(上がった槙野と森脇)の裏を狙え』というチームが多かったと思いますが、そこのスキがなくなりました。そして、全体をとおしても攻め急ぐことが減りました。攻め急いで、マキとかモリも高い位置を取ってカウンターを食らうというのが失点パターンでしたけど、それがほとんどなくなりました」
②へつづく…