サッカーに費やす時間が増えている
−最近の柏木選手は、前線に顔を出したときは必ずと言っていいほどチャンスに絡んでいます。
「調子が上がっているし、体のキレも感じています」
−ドリブルにもキレがある印象です。
「もともとドリブルをするほうでしたけど、ちょっと(体の)重たさもあって、ドリブルしない時期があったことで、(相手を抜く)タイミングを忘れていました(笑)」
−キレが上がってきたのには、減量が影響していますか?
「減量プラス、試合前日にジャンプとかスプリントとかして、腿裏とかに刺激を入れることで一瞬の速さも出てきたし、そこからの踏ん張りというか強さも出てきたと思います」
−全体練習後にランニングや筋トレなどをとり入れていると思いますが、いまだにいろいろなことを試しているのですか?
「むしろ今年が一番大きいです。スプリントとジャンプを増やしたのは今年からですし、今までは練習の45分前とかに練習場に来るのが普通でしたけど、いまは練習の1時間半ぐらい前に来て準備をしています。最初にバイクを漕いだり、ストレッチとかヨガ、体幹、筋トレとかをやったり。家でもストレッチする回数が増えましたし、サッカーに費やす時間は増えました」
−そうなるきっかけはあったのですか?
「奥さんも支えてくれているし、できることは全部しようと思ったからです。あまり表立って言うことではないし、『そんなの当たり前』と思う人もいるかもしれないけど、俺にとっては今までやってなかったこと。そういったプライベートの変化がサッカーの変化にもつながって、良い方向に進んでいます。そして、今までは継続が一番難しかったんですけど、継続できている。それが一番大きいと思います」
−体重も最初は体調を崩したことがきっかけだったのかもしれませんが、しっかり維持できていますね。
「維持どころか、痩せ続けています。体質が変わって、食べても太らない体になってきました。あとは筋肉の形も変わってきているみたいで、前はどちらかというと横に太い脚だったんですけど、陸上選手みたいに縦の脚になってきました。それを野崎さん(アスレティックトレーナー)にも言われます。肉離れも今年は代表で1回あったけど、軽いやつしかしてないし、腰痛も出なくなりました。大きいけががありません」
鹿島を恐れることはない
−個人としてもそういう充実したシーズンだからこそ、最後に大きいものをつかみたいのではないですか?
「もちろん。やれることはやっているし、チームとしてもいろいろな意味で成長できたから、しっかり(CSを)獲りたいです」
−決勝で対戦する鹿島はどんな印象ですか?
「いまの鹿島は堅い戦いをしているけど、点を取れずに苦しんでいます。でも、イヤな戦い方をしてくる。それに、やっぱり勝負強さを持っています」
−最近の鹿島戦は白熱した展開になっています。第三者からすると見ごたえのある試合が期待できるなと思います。
「Jリーグが盛り上がるためにも良い試合をしたいです。圧勝とかよりも接戦や点の取り合いのほうが面白いから、そういう試合展開になればいい。Jリーグもこんなに面白いんだって、見ている人たちが思えるような試合にしたいです」
−CSは楽しみですか?
「CSに勝ってクラブW杯に行きたいです。そこで世界のチーム相手にどれぐらいやれるのかというのが一番楽しみです。そこでアピールできれば日本代表に戻れるかもしれませんし、もしかしたら世界への扉が開けるかもしれません」
−今年のCS出場チームの中でCSを経験しているのは浦和だけです。去年の経験を生かせそうですか?
「ホーム&アウェイでやるわけですし、去年と戦い方は全然違ってきます(※)。だからそんなに意識はしません。今までやってきたことを全部出せばいいし、今までやってきた試合をすればいい。ただそれだけ。恐れる気持ちを持たなくていいし、硬くなり過ぎなくていい。大舞台のときに、あえて『楽しもう』と言うこともありますが、そういう気持ちのときは緊張しているような気がします。だから、普通に今までやってきたことをやる。そうすれば、どこのチームにも勝てます」
(※)昨季のCS準決勝・G大阪戦はホームでの一発勝負。浦和は延長戦の末、1-3で敗れた。
おわり
聞き手:菊地 正典 取材日:11月8日(火)
柏木 陽介(かしわぎ・ようすけ)1987年12月15日生まれ、28歳。兵庫県出身。176cm/73kg。御津中→広島Y→広島を経て、10年に浦和に加入。J1通算309試合出場50得点。J2通算31試合出場4得点。日本代表。