Photo: Atsushi Tokumaru
GKの好守と粘り強い守備の応酬。0-0が見えかけた89分に生まれたアウェイゴール
互いに[4-4-2]、堅守を持ち味とするチーム同士の対決は、戦前の予想どおり堅いゲームとなった。
J2・J3入れ替え戦第1戦をホームで迎えた栃木は横山監督の「アウェイゴールを許したくない」との思惑からボランチに守備に強みがある西澤と島川を選択。球際の攻防やセカンドボール争奪に力点を置き、攻撃では長いボールを多用してセーフティーに進める狙いが見て取れた。対する金沢は長短のパスを折り交ぜながら、栃木が組むブロックの打開を試みる展開が続く。時折、栃木のブロックの逆サイドにできたスペースにロングボールを入れ、左サイドの熊谷にボールが渡ったときはチャンスになりかけるが、金沢もゴール前に十分な人数をかけられず決定機を作れない。
後半序盤はやや栃木が攻め込んだが、金沢のゴール前の堅い壁をやはり打ち崩せない。唯一のチャンスは50分。FKがゴール前の混戦を抜けると、待ち構えていたのは栃木のエース大石。GKと1対1の場面だったが、金沢の原田欽がビッグセーブではじき出して難を逃れた。その後栃木のディフェンスラインに凡ミスが増え始めたところに金沢が付け入り、中美やアン・ビョンジュンがGKと1対1になるシーンを作り出した。しかし今度は栃木のGK吉満が両手をいっぱいに広げて立ちはだかり、ゴールを許さない。
互いにGKを含めた粘り強い守備の応戦となり、このままタイムアップを迎えるかと思われた。だが、89分についに均衡が破れる。CKを得た金沢は太田が中央で競り勝つと、こぼれたボールを小柳が押し込んで土壇場で先制に成功する。
残り時間、栃木の猛攻に耐えた金沢がそのまま逃げ切り、貴重なアウェイゴールとともにJ2残留に大きく前進する勝利を手にした。(鈴木 康浩)