Photo: Atsushi Tokumaru
プランどおりスコアレスで進めながら終了目前の89分に失点し、まさかの敗戦。栃木にとってはショッキングな出来事のはずだが、試合後の主将・廣瀬浩はすでに切り替えができていた。「大さん(斉藤)が『悲観することはないよ』って言うんです」。斉藤はプロキャリア18年の中で10回ほどの昇格と降格の経験を持つチームイチのベテランである。この日もベンチから戦況を見守っていた。廣瀬浩が続ける。「第2戦が引き分けでいいのか、何としても得点を取らないといけないのか。『後者のほうがメンタル的に有利に進むこともある』と言われて確かにそうだなと思った。それでポジティブになれたので大さんには感謝したい」。第1戦の栃木は専守防衛の消極的な戦いぶりだった。その上、逃げ切りにも失敗。第2戦に向けてもうあとはないが、逆にやるべきことがシンプルになった。ゴールを奪わなければJ2昇格はない。
ただ、チームに焦りはない。指揮官が「つけ入るスキはある」と話したように、金沢の堅守をこじ開けられる手ごたえを選手たちも感じていた。「僕たちが良いときは今日のような守備から前へいく推進力を出せている。どんどんアグレッシブに行けていたら今日も勝てていた」(菅)。強がりでも金沢を甘くみているわけでもない。それがピッチ上で選手たちが感じた肌感覚。指揮官は言う。「攻撃的にいくなど微調整をすれば勝つチャンスはある」。終わったのは半分だけ。下を向く必要はない。(鈴木 康浩)