流れを変えた同点弾。浦和の奇策は奏功せず
まずペースを握ったのは年間勝点で首位に立ち、チャンピオンシップ(CS)決勝第1戦を1-0で制していた浦和だった。
立ち上がりから主導権を握り、7分に関根の素早いスローインから高木が右サイドを突破してクロスを上げると、興梠が完璧なボレーシュートを叩き込んで先制に成功する。その後も攻守の切り替えが速く、球際と運動量で鹿島に勝り、優位に試合を進めた。
しかし、試合前から鹿島は1-0で勝利しても優勝できず、一方で1点を取られても2点を取ればアウェイゴールの差で逆転できた。つまり試合前と状況はほとんど変わらない鹿島が30分を迎えようとしたあたりから徐々に圧力を増していく。そして40分、右サイドで宇賀神をはじき飛ばしてボールをキープした遠藤康がボールを持ち替えることなく利き足ではない右足で素早くクロスを上げると、ファーサイドにフリーで走り込んだ金崎がダイビングヘッドで合わせて鹿島が同点に追い付いた。
「同点に追い付いたことによってレッズさんのほうが逆にプレッシャー懸かって、後半に入ってからは勢いがなくなってしまった」。そう石井監督が話したように、後半の勢いは完全に鹿島。浦和は受けに回った。そして78分、途中出場の鈴木が槙野に倒されてPKを獲得すると、79分に金崎がこれを確実に決めてついに鹿島が逆転に成功する。
逆転された時点で交代枠を使い切っていた浦和のペトロヴィッチ監督は槙野を前線に上げて[4-4-2]にして反撃を試みるが、この奇策は奏功せず。後半ロスタイムには森脇が左サイドから上げたクロスをファーサイドで槙野が競り勝って折り返しチャンスを迎えたが、武藤のシュートは枠を越えた。そして鹿島がアウェイゴールで浦和を上回り、7年ぶり8度目となるリーグタイトルを獲得。年間勝ち点で15ポイントも劣ったリーグ戦の結果を鮮やかに覆してみせた。(菊地 正典)