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[六川 則夫]浦和の自滅という印象/明治安田Jリーグチャンピオンシップ クロスレビュー③

2016/12/5 6:00


Photo: Norio Rokukawa
予定調和を覆す、劇的優勝

 年間勝点59の鹿島が、チャンピオンシップ3連戦で、年間勝点72の川崎Fと、『74』の浦和を撃破して見事王者に輝いた。2シーズン制ならではの、予定調和を覆す、劇的な鹿島の優勝だった。今季をもって、チャンピオンシップ制は打ち止めになるが、近くない将来、またこのシステムが導入されるとしたら、勝ち点差によるアドバンテージを、さらに細かく設定せざるを得ないだろう。公平とは言えないシステムを、できるだけ公平に見えるようにするのに、細部を詰めていかなければならなくなる。まさに自家撞着である。DAZN(ダ・ゾーン)の登場で、この不都合なシステムは、今季で打ち止めになるが、もし3年目も行われていたら、Jリーグは、どんな対応策を取ろうとしていたのだろうか。

試合を決めたのはやはりファール

 ホームで行われた第2戦、浦和は折角早い時間に先制したにもかかわらず、逆転負けを喫した。その原因はどこにあったのか。今季、浦和がチームとして最もケアをしていたのは、前がかりになったときの、背後のスペースのマネジメントである。それがしっかりできていたからこその、勝ち点74であり、年間勝点1位だった。
 40分、ファン・ソッコのロングボールを、遠藤康の前でカットしようとした宇賀神が、巧妙にブロックされてサイドを破られ、金崎に同点ゴールを許した。宇賀神に対する遠藤康のはがし方は見事だったし、ファーサイドに上げたクロスも、浦和DF陣は準決勝・川崎F戦のイメージがあっただけに、対応し切れなかった。1-1で迎えた後半、ペトロヴィッチ監督は早々と守備要員の青木を投入した。リーグ戦では考えられない時間帯での交代である。その後、攻撃のカードを2枚切るが、浦和は明らかにリズムを失っていた。そして79分、鹿島の速攻の前に、再び浦和は不用意な守備から、鹿島にPKを与えてしまう。
 鹿島の勝負強さは、いまさら言うまでもないが、浦和の自滅という印象のほうが強い。第1戦は、西の不用意な反則によるPKが決勝点になり、2戦目は、槙野が背後から鈴木を倒して、それが鹿島の年間チャンピオンにつながった。CSファイナルの2試合を決めたのは、西といい、槙野といい、日本代表の経験者であり、日本のトップレベルの選手たちによる反則である。2試合の後味は、決して良いものではない。

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