岡山のやることは明確だった。それは「まず先週(J1昇格プレーオフ準決勝・松本戦・2○1)と同じように試合を形にすること」(岩政)。終盤に可能性を残すため、選手は意思を一つにし、立ち向かっていった。
前半は理想的に推移した。立ち上がりからポゼッションはC大阪に譲ったが、岡山は自陣でしっかりと守備組織を構築。ソウザに多くのミドルシュートを許すも最も警戒が必要な柿谷にはペナルティーエリア内でプレーする機会を与えない。うまくC大阪の攻撃に対応して試合を進めた岡山は、C大阪の攻撃のパワーが弱まってきたところで矢島と伊藤を中心にパスをつなぎながら敵陣に入っていく時間を作り出す。37分には1本目のCKでビッグチャンスをつかんだ。しかし、この絶好機で岩政のヘディングシュートはゴールマウスを捉えられずチャンスを逃した岡山は、後半に立て続けにつかんだチャンスも決められない。そして52分、C大阪にCKから先制点を奪われた。岡山にとっては痛恨の失点だったが、勝ちゲームに持っていく可能性はまだ十分に残っている。岩政が戦前に語っていた“試合を形にすること”まではなんとかこぎつけた。
しかし、1点が遠かった。岩政を上げてパワープレーを行いゴール前に混沌を生み出すことはできたが、C大阪の守備陣の壁は厚くゴールネットを揺らすことはできない。体調不良によって押谷が欠場したことで選手交代によってギアが上がり切らなかったことも痛く、岡山の下克上はならなかった。
プランどおりに試合を進めてチャンスを作ったがモノにすることはできず、CKの失点によって自ら首を絞めてしまった。初めてJ1昇格POに臨んだ岡山はJ1まであと一歩に迫ったが、相手が勝っていたことを認めるほかない敗戦。キンチョウスタジアムには高い壁がそびえていた。(寺田 弘幸)