持ち直したシーズン後半戦もなかなか勝ち切るところまでは至らず、21位でJ2・2年目を終えた金沢。ただ、J2・J3入れ替え戦を含めた終盤4試合は無失点。残留を懸けた入れ替え戦でも守備は安定しており、2試合とも勝ち切った。チームは入れ替え戦に回ったことを悲観していなかった。むしろ“J2に残留するチャンスをもらった”という考えに近い。もちろん、結果的に残留を達成したのは“良かった”と言える。ただこれを美談ではなく、教訓にすべきだ。
22位・北九州との勝ち点差はわずかに『1』。自動降格したチームとそこまで大きな差はなかったはずだ。新戦力が思いのほかハマらず、ベストの組み合わせが定まるまで長い時間を費やした。開幕を迎える時点で選手たちの手ごたえはいま一つどころか、不安を口にした者もいた。統一感を欠いた守備で失点が重なり、攻撃に針を振ったにもかかわらず一向に得点は増えない。頼みの綱、外国籍選手の補強も“外した”。残留争いは必然だった。
残留を決めた日の夜、西川圭史GMは声明を発表。その中には「この結果を真摯に受け止めて、早急に今季の戦いを分析し、来季に向けた強化体制・方針の構築およびチーム編成に取り組む」との一文があった。監督、選手はJ2残留という結果を残した。ここからは“クラブ”がプロとしての仕事をする番だ。金沢にはクラブ自体よりもJ2以上での経験が長い選手も少なくない。クラブが選手を評価する世界だが、選手たちもまたクラブを見ている。おそらく彼らが評価を下すような機会はないだろうが、業界内の評判くらいにはなるかもしれない。
来季、金沢はJ2で3年目を迎える。今季支払った勉強代はなかなか高くついた。それらを生かし、一刻も早く経験不足から脱却する必要がある。(野中 拓也)