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[特集]MF 21 井手口 陽介(G大阪)/飛躍した男たち2016・J1編

2016/12/19 6:00


青黒の怪物が描いた驚異的な成長曲線
 ルヴァンカップでのニューヒーロー賞とJリーグのベストヤングプレーヤー賞の二冠達成は実に14年ぶりの快挙。2016年は井手口がブレークスルーを果たした1年だった。
 若手を積極的に登用しながらも、滅多に「100点」を付けようとしない長谷川監督はシーズン終盤、ためらうことなく背番号21をこう評していた。
「いまの陽介は別格のパフォーマンスを見せている」
 宇佐美以来となる飛び級でのトップ昇格を果たした逸材はプロ2年目だった昨季、球際の強さと豊富な運動量というストロングポイントを随所で発揮し始めていたが、遠藤と今野のボランチコンビを脅かすにはほど遠い存在だった。
 しかし、今季最初の公式戦となるACLグループステージ第1節・水原三星戦(0△0)でまだコンディションが万全でない遠藤をベンチに追いやって先発の座をつかみ取ると、1年を通じて驚異的な成長曲線を描いていく。
 守備のハードワーカーであるのは事実だが、G大阪のジュニアユースとユースでは数多くの逸材たちの中から背番号10を託されていた井手口である。攻撃のセンスも一級品ではあるが、待望のJ1初ゴールを決めた9月の2nd第12節・名古屋戦(3○1)以降、明らかにそのパフォーマンスが一変した。「点を取れたので自信になった」(井手口)。ルーキーイヤーから指揮官が「陽介はパンチの効いた一発も持っている」と称賛していた武器が、ミドルシュート。名古屋戦で点を取る喜びを思い出した20歳は、その後10月の2nd第15節・横浜FM戦(2△2)でも左右それぞれの足でミドル弾を叩き込み、もはや単なる“守備の人”でないところを見せ付けた。
 ポジショニングやつなぎの精度は課題だが、それを上回って余りある魅力と伸びシロを、井手口はその強じんな体に隠し持っている。(下薗 昌記)

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