■横浜F・マリノス
高まりつつある機運。CBは新井が先発濃厚
4回戦で新潟を破って(1◯0)からの6週間は、ピッチ外の話題が先行していた。エリク・モンバエルツ監督の続投発表に始まり、主力選手には移籍の噂が絶えなかった。積雪の影響で練習が中止になる日や、インフルエンザが蔓延した時期もあった。
「緊張感を保って練習するのが難しかった」
先日のJリーグアォーズで自身初のベストイレブンに選ばれた齋藤は、こう正直な心境を吐露した。選手個々のベクトルにバラつきがあるため、目の前のトレーニングに集中できない日も多かった。
それでも12日から16日まで宮崎キャンプを実施したことで、選手は再び戦闘モードに入った。G大阪との一発勝負に向けて徐々に機運は高まっている。
リーグ戦終盤の顔ぶれが順当に先発に名を連ねそうな中で、唯一CBのポジションは流動的だ。左ひざを痛めている栗原はリハビリ中のため稼働できず、ファビオはすでに帰国している。パク・ジョンスもコンディションが万全ではなく、ベンチスタートの可能性が高い。新井に懸かる期待は大きく、彼のパフォーマンスが試合結果を大きく左右するだろう。
本職はCBだが、ルーキーイヤーの今季は左右のSBやボランチでも試合経験を積んだ。だが本人は「自分はCBとして長くやっていきたい」と言い切る。こだわりのポジションでG大阪という強敵を相手にどこまでパフォーマンスを高められるか。「今季の集大成を結果で出したい」と鼻息は荒い。
チーム全体としては非常に難しい一戦でも、新井のような新進気鋭の若手にとってはチャンスであり今後の転機になり得るゲームだ。今季は主力選手の負傷離脱が多く、経験の浅い選手もたくさん出場機会を得た。その面々が本当の意味で一人前になっているか、試される試合とも言えるだろう。(藤井 雅彦)
■ガンバ大阪
前人未到の大会三連覇へ。藤本が好調を維持
過去2年、国内の大舞台では常に優勝争いに絡み、スポットライトを浴び続けて来たG大阪。「無冠で終われない」と力を込めて話す倉田の言葉はチームの総意でもある。前人未到の大会三連覇に対する思いの強さはもちろんだが、「プレーオフからでなく自動的にACL本戦の出場権を得たい」(遠藤保仁)。来季、ACLでのリベンジを期す大阪の雄にとって、十分過ぎるほどのモチベーションがチームに満ちている。
4回戦の清水戦(1◯0)後に呉屋と米倉が負傷離脱も、横浜FM戦をにらんで順調に練習試合などを重ねてきたG大阪。しかし、21日の練習中にGK東口が右足首をねん挫。守護神を欠く想定外のアクシデントに見舞われたが、「GK藤ケ谷はルヴァンカップでも天皇杯4回戦でも良いプレーを見せてくれた」と長谷川監督はベテランGKに全幅の信頼を置く。
呉屋の離脱で手薄なFW陣だが、アデミウソンの1トップを軸にチームは連係面を深めてきた。「左サイドでシンプルにプレーできているし、やっと居場所を見付けた感じ」と好調をアピールするのは古巣戦に燃える藤本だ。練習試合では得点にも絡み、アデミウソンとの連係も上々。ルヴァンカップ準決勝第2戦・横浜FM戦(1△1)でもアシストを記録した藤本の機能性向上は準々決勝に向けての追い風だ。
ただ、「横浜FMは簡単な相手ではない」とアデミウソンが話した言葉は決して社交辞令ではない。今季リーグ戦とルヴァンカップでは4度対戦し、G大阪は3分1敗と一度も勝ちがない。「お互いに同じ条件だけど、試合の入りには注意したい」(遠藤保仁)。ルヴァンカップでは不在だった齋藤封じは、準決勝進出に向けて不可欠なミッションになるはずだ。
天皇杯の勝ち方を熟知する長谷川ガンバが、その真価を見せ付けるときが来た。(下薗 昌記)