“つかみ”に成功した川崎F。差を示した完勝
FC東京の本拠地のゴール裏に押し寄せた多くの川崎Fサポーターが放つ大歓声には、タイトルへの渇望が強く反映されていた。そして、それを受けた選手はピッチ上で相手との差を見せ付け、完勝を収めた。後半ロスタイムの失点について谷口は「タイトルを獲るチームはどんなゲームでも最後は無失点で終わらせなければいけない」と渋い表情も見せたが、それ以外については「ゲームをうまくコントロールしてやっていた」と風間監督は評す。ひさびさに“フロンターレらしさ”が見られた試合だった。
「立ち上がりから支配される時間が多かった」とFC東京の室屋が言うように、1カ月近いブランクを経て臨んだ公式戦で“つかみ”に成功したのは川崎Fだった。最終ラインからの正確なビルドアップに焦りはなく、積極的に前線のスペースを突き、中も外も使いながらゴール前に侵入。対するFC東京は中島が持ち込み、多少遠めからでもシュートを放つが、個人プレーに依存しており、ゴールへの活路が見いだせない。攻撃の過程に違いがハッキリとあった中、先に得点を決めたのはやはり川崎Fだった。20分、左サイドで時間を作ってから右へ展開。エドゥアルド、エウシーニョ、中村とつなぎ、右サイド奥深くに顔を出した田坂がクロスを上げ、これを大久保がひざで合わせてネットを揺らす。そしてその8分後には自陣における登里の絶妙なパスカットからカウンターが始まり、最後はエウシーニョが中央から左足で狙いすましたゴールを決めた。人数はそろっていたにもかかわらず、やすやすとシュートを打たせたFC東京の守備陣は強度を欠いており。この2点目で勝負は決した。
「積み上げてきたモノに差があった」と篠田監督は完敗を認め、谷口は「差は示せた」と満足感をのぞかせる。継続の過程で生んだ質の差を見せ付けた川崎Fが、悲願の初戴冠まであと二つのところまで来た。(竹中 玲央奈)